マリーシアとはポルトガル語で「ずる賢さ」と言う意味です。
誤解されがちですが、汚いプレーを指す言葉ではありません。
反スポーツマンシップな意味合いで、マリーシアは人々に思われてきましたが、実際のマリーシアは「チームの勝利へ全力を尽くす1つの手段」です。
マリーシアを学び、プレーに活かすのは、とても良いことで、チームを助けることが出来ます。この記事では、マリーシアの解説と、賢いプレーと汚いプレーについて解説します。
目次

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間違ったマリーシアの理解
マリーシアとはポルトガル語で「ずる賢い」という意味です。
そのため、サッカーにおけるマリーシアとは「ずる賢いプレー」というを意味に訳されることが多いです。
しかし、その訳し方はサッカーをしている者のマリーシアの考え方を間違ったものにしてしまいます。
間違った捉え方として挙げれるのは、審判の見ていないところで非人道的な反則をしたり、敵を挑発してカードを誘うような非紳士的なプレーです。
なぜ、「ずる賢いプレー」という訳し方が間違ったマリーシアの意味にとらえさせるのでしょうか?
正しいマリーシアの理解
「ずる賢いプレー」という訳し方が間違ったマリーシアの意味に捉えられてしまう理由。
それは、「ずる賢い」の「ずる」を「卑怯」だと捉えられてしまうからです。
そのため、「ずる」を「卑怯」ではなく、「相手を欺く」もしくは「卑怯をせずに相手に勝つ賢いプレー」が正しいマリーシアの理解だと言えると思います。
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試合で使えるマリーシア
試合で使えるマリーシアを2つご紹介したいと思います。
①セットプレーで相手の腕を抑える
②ボールキープで時間を稼ぐ
①セットプレーで相手の腕を抑える
これは相手選手の動きのタイミングを遅らせることが目的です。
セットプレーの場合では相手選手とのポジション取りが非常に重要で先に相手の前に入ったほうが攻防を制します。
攻撃側ならば、得点機会になり、守備側ならば、得点機会を阻止することになります。
その為、攻守の駆け引きが非常に重要で自分が攻撃側の場合、相手守備選手の腕をレフリーの死角になるところで抑え、ボールが蹴られる瞬間に離し、動きの初動を遅らせます。自分が守備側の場合もその逆のことをします。
ただし、相手が動いたのにも関わらず、相手の腕を抑えこんだままだとファールになるのでPKを与える、もしくは、ファールで攻撃が終わってしまいます。
そのため、腕を離すタイミングが重要になります。キッカーが蹴る瞬間をよく観察して遅すぎ早すぎないタイミングです。
②ボールキープで時間を稼ぐ
ボールキープで時間を稼ぐことは、非常にフェアで有効なマリーシアの一つです。
試合時間残り5分あたりにリードしているチームが相手陣内奥深くでボールキープし、そのまま試合終了に持ち込むというシーンを見たことはないでしょうか?あれもマリーシアの一つです。
テクニックに優れた選手が多いチームは、ボールを保持し、パスを回し時間を稼ぎます。また、ドリブラーがいるチームはドリブラーの選手にボールを預け、ボールキープ力を活かしたドリブルで時間を稼ぐことができます。
その他に、コーナーフラッグ付近でボールキープし、体を張ってボールを守り、時間を稼ぐ方法もあります。
タッチライン際なので、相手にぶつけて、マイボールにして、キープして、またぶつけてマイボールにすると言う半永久的にマイボールにするマリーシアもあります。
勘違いするな!卑怯なマリーシア
相手を傷つけるプレーや、審判を欺いたダイブは、ただの汚いプレーです。
それは「マリーシア」ではなく「マランダラージ」と言います。
「マランダラージ」とは「卑怯」という意味です。
マランダラージはメリットがない以前に自分に還ってくるデメリットが大き過ぎることを頭に入れておくべきです。誰も得しないプレーで、観ているほうも気持ち良いものではありません。
リスクを追って、相手を傷つけたり、審判を欺くプレーですので、警告や退場の恐れが非常に高いです。
自分の軽率なプレーで退場してしまうと、試合は不利になってしまい、チームメイトに迷惑がかかってしまいます。
退場癖がある選手だと、数的不利の想定もしないとならないので、使い辛い選手のレッテルを貼られてしまい、監督からの信頼も失い、出場機会を失ってしまう危険性もあります。
正しいマリーシアを学ぶことができれば、相手選手を傷つけることなく、チームの為になります。汚いプレーではなく、ずる賢くプレーして、チームの勝利に貢献しましょう。
①相手を傷つける
相手を傷つけるプレーはご法度です。
審判に隠れて肘打ちする選手や空中戦で競らないで、相手の落下地点で待ち構え、競った選手の落下地点を塞ぎ、危険な落ち方を誘うなど危ないプレーを見かけますが、相手選手を怪我させると言う行為は、非人道的行為と見なされてしまっても仕方がないので、絶対やめましょう。
怪我させて得する人は、誰もいません。自分がされて怪我をする危ないようなプレーは絶対避けるべきです。
サッカーにおいて、相手が嫌がるプレーをするなと言うのは難しい話ですが、相手を傷つけるプレーを避けることはできるので、常にフェアなプレーを心がけましょう。
相手があってのサッカーで、決して敵ではなく、傷つける対象ではありません。
サッカー史上最悪の一発レッドカード退場https://t.co/tWpjzH7IYD
— ハル (@meijyo_o) 2019年4月3日
②審判を欺いたダイブ
審判を欺くダイブは観ていて気持ち良いものではありません。
ダイブを行う選手を見ると、滑稽に見えるのでやめましょう。
それに加え現代では、審判を欺くダイブもカードの対象になるので、やり過ぎると累積警告で退場の恐れがあります。味方に迷惑がかかり、良いことがありません。
よくある例では、ペナルティキックやフリーキックを狙って、わざとダイブしたり、相手が既に1枚カード貰っている為、退場狙いで、わざと相手選手にぶつかって大げさに倒れたり、様々な例があります。
ドリブルしているときに、相手選手がついてこれずにが明らかに足を出してきて、それに引っ掛かってファール貰うのは、戦略的にOKなので、ファールを誘えるようなドリブルが出来るように練習したほうが得策です。
③審判を欺いた時間稼ぎ
リードしているチームはボールがアウトプレーの時に意図的にプレーを遅らせたりボールパーソンからボールを受け取らなかったり、非紳士的行為が目立つケースがあります。
リードしているチームのゴールキーパーが、ゴールキックをなかなか蹴らずに警告を貰うケースは、もはや日常茶飯事です。
その他にもリードしているチームの選手が、相手がフリーキック貰った時、わざとボールの前に立ちプレーを遅らせたり、様々な時間稼ぎの例があります。
インプレー中にパスを回して時間を稼ぐのと、アウトプレーの時にプレーに入らず遅延行為で時間を稼ぐのとでは、天と地の差があります。
アウトプレー中に時間稼いでも、アディショナルタイムに加算されるだけであまり意味がないので、余計な警告貰ってしまうだけです。
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色々なマリーシアをご紹介!
技術があるからこそこんなエロいマリーシアができる家長選手
家長選手は、元日本代表で、2018年のJリーグMVP選手です。左利きで華麗なテクニックとフィジカルの強さで、相手選手を圧倒します。
家長選手は強靭なフィジカルと華麗なテクニックを活かしたボールキープ力と試合状況を考えた正確な判断能力があるからこそ上手く時間を稼ぐことができます。
ドリブルの技術にも優れており、単独でもスペースがあれば、緩急を活かして単独突破して、ボールキープして時間を稼ぐだけではなく、あわや追加点と言うプレーも演出します。
これだけ余裕を醸し出せる選手は、国内では、家長選手しかいないでしょう。
遊び心があるからこそできるマリーシア ネイマール選手
こちらの動画は遊び心があるからこそできるネイマール選手のマリーシアです。
2度のキックフェイントで線審と観衆を騙し、その隙に完璧なボールをあげてチャンスを演出しています。
急なリズムの変化にリバプールの選手たちは反応ができていません。
遊び心をがあるからこそ、相手との駆け引きを楽しめて、相手を騙すことができ、さらにそこに持っている技術を合わせる。
これこそがマリーシアです。
コーナーキックでのマリーシア
こちらは試合で時々みる、コーナーキックでのマリーシアです。
相手を騙すことができればチャンスですが、見破られるとコーナーキックのチャンスを潰してしまう可能性もあります。
これを成功させるには、審判との連携も大事です。審判にしっかり、ボールをタッチしていることを伝えなければ、やり直しになってしまう可能性があるからです。
ですが、それを相手に見られていると、バレてしまうので、相手が見ていない隙にやることが大切です。
意外にも使えるマリーシアの一つなので、チーム内でしっかり練習してやれば、試合でチャンスを作ることができると思います。
これはマリーシア??(笑)
最後にご紹介したいマリーシアの動画はこちらなのですが、これはマリーシア?なのでしょうか(笑)
これが意図したマリーシアなのであれば、これほど完璧なマリーシアはないでしょう。
これまでご紹介したマリーシアはどれも相手を傷つけておりませんし、卑怯なプレーをしていません。
正しいマリーシアを理解し身につけて、さらにそれを実行できる技術や駆け引き、アイデアを身につけて試合に勝てるようにしましょう。
【記事まとめ!】この記事で覚えて欲しい3つのポイント
この記事で覚えて欲しいことは以下の3つです。
①「マリーシア」は「ずる賢い」プレーという意味
②「ずる」=「卑怯」ではない。「卑怯」=「マンダラージ」という意味
③マリーシアは「賢く」「技術」があってこそできること
この3つを覚えていただけたら、あなたの「サッカーにおけるマリーシア 」はアップデートされたでしょう。