ロードバイクのハンドルは多くの場合、シティサイクルとは異なる種類が使用されます。一般的な自転車しか知らない人は、その形状に度肝を抜かれるでしょう。しかしその理由はとても合理的です。
目次

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ドロップハンドルとは
ドロップハンドルとは、ロードバイクなどのスポーツバイクに使用される自転車パーツです。下さがりに広口で横向き、U字型の形状はしばしば初心者を困惑させます。ドロップハンドルにもいくつか形状があり、自分に適した形状を選ぶことも可能です。
この独特な形状により持ち手の位置を任意に変えられ、人によりシーンにより、その都度最適の姿勢制御ができます。速さを出したければ、ドロップハンドルの深い位置を握って前傾姿勢にできます。反対に、浅い位置でドロップハンドルを握れば、楽な姿勢にもできるのです。
ロードバイク用ハンドルの種類
ロードバイク用のハンドルは、その形状ごとに種類が分かれます。パフォーマンス向上のためにも、自分の目的やシーンに合ったハンドルの使用が理想的です。どんな種類のハンドルがあり、効果があるのかは次の通りです。
ロードバイクハンドルの主な3つの種類を解説します。
-
- シャロー
- アナトミック
- アナトミックシャロー
シャロー
ロードバイク用ドロップハンドルのシャローは、ハンドルが広口で角がなくほぼ横向きのU字型であることが特徴です。曲線の頂点またはシフターを設置するブラケット部分が深めになっています。
そのため、より前のめりの姿勢で走れる利点があります。。シャロ―で深い前傾姿勢をとれば、空気抵抗を少なく済ませられるからです。
ただし、前傾姿勢に慣れていない初心者や身体が硬い人は、その必要がないため他の形状の方が適しているでしょう。また、どの形状よりもスタンダードで歴史が古いことも特徴です。
アナトミック
アナトミックはシャロ―とは逆に、下ハンが直線的で角張った形状をしています。それゆえ握りやすく、力も入れやすいです。
手がするっとハンドルから離れることを避けられます。外見的にはシャロ―と比べて丸みがないため、硬い印象でかっこいいです。
ただし、アナトミックは持ち手とシフターとの距離が遠いため、操作性で万人向けとは言えません。高速で走るロードバイクで操作にてこずることは致命的です。そのため、手が小さい人には向きません。
アナトミックシャロー
アナトミックシャローは名前の通り、シャロ―とアナトミックを足して二で割ったような形状のドロップハンドルです。下ハンは直線で握りやすく、ブラケット位置のハンドルは浅くて丸くなっています。
アナトミックシャローは深い前傾姿勢をとることよりも、さまざまな姿勢にできることを選んだ形状ともいえるでしょう。上記形状よりも姿勢制御が容易なので、疲れにくいメリットもあります。また、初心者や手のサイズが小さい人でも操作できるため、万人向けです。
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ロードバイク用ハンドルの素材
ロードバイク用ハンドルの性能は、形状だけでなく素材によっても決まります。素材の性質は性能に直結するほど重要なので、ハンドルを選ぶ際には素材の種類にも注意が必要です。
ではロードバイク用のハンドルに使用される素材とその性質について知ってみましょう。
ロードバイク用ハンドル素材の特徴は、以下の3つです。
- スチール
- アルミ
- カーボン
スチール
スチールは、3素材中最も重く、最も強度の高い素材です。軽量化が重視されるロードバイクにおいては、敬遠されがちな素材にあります。しかし実のところスチールの性質は、メリットの大きい素材でもあるのです。
ロードバイク初心者は転倒率が高いので、強度が高くて折れないスチールハンドルが向いています。転倒の衝撃では、アルミは曲がり、カーボンは折れる危険があるからです。また、最も安価で購入しやすい点も魅力と言えるでしょう。
アルミ
アルミは3素材の中で、全体的な性質が中間のハンドル素材です。強度や耐久性、走行性能、価格もそれに伴います。それゆえ、最も一般的に広く普及している素材となっています。
完成車ロードバイクには、ほぼアルミハンドルが搭載されています。真っ先にアルミに慣れるので、他の素材を試したくなる気持ちになるでしょう。
とはいえ、アルミはレース以外では全体的に無難な素材なので、利便性が3素材中トップという点でおすすめできる素材です。
カーボン
カーボンは、スチールやアルミを引き離す走行性能を誇ります。3素材中最も軽量で、剛性や耐久性、衝撃吸収性が高いです。
剛性の高さは、力が逃げず無駄がない走りにつながります。また、衝撃吸収性の高さは、ロードバイクでの長時間走行の楽さにつながるのです。それゆえカーボンハンドルは、初心者の憧れの的になっています。
ただし強度に少々難があり、アルミやスチールとは違って落車の衝撃で折れることもあります。折れたら最後という気持ちで使用することになるので、もっぱら決戦用です。
ロードバイク用ハンドルのおすすめ人気メーカー
自転車パーツメーカー中でも特に、おすすめできるロードバイク用ハンドルを製作しているメーカー、人気のあるメーカーをピックアップしてみました。下記メーカーは、周辺パーツを選ぶ際にも役立つので、覚えておいて損はありません。
ロードバイク用ハンドルのおすすめ人気メーカーは以下の5つです。
- THOMSON(トムソン)
- 3T
- 日東(NITTO)
- RITCHEY(リッチー)
- EASTON(イーストン)
THOMSON(トムソン)
トムソンはアルミ部品メーカーの一つであり、自転車パーツ以外も扱っています。トムソン製の部品で特筆すべき点は、航空機にも採用されていることです。トムソンの技術力とキャリアが、いかに優れているかがよくわかります。
それほどの信頼と実績のあるトムソンは、自転車パーツにおいても評価が高いです。特にハンドルとステム、シートポストの、レース用としてのクオリティに定評があります。ハンドルに関してはアルミ以外にカーボンやチタンも扱い、敷居を広げていることもポイントです。
3T
3Tは、始めはスキー用品で注目を浴びた経歴を持つ自転車部品メーカーです。スキー用品で培った技術と実績は、自転車パーツに確実に生かされてきました。イタリアで創設してから約60年、信頼され愛されてきた老舗と言えるでしょう。
ハンドルはグレードによってデザインの色が多少異なり、特にTEAMグレードは赤いラインが入っていてかっこいいです。とにかくラインナップが豊富なので、シーンや技量、予算に合わせたロードバイク用ハンドルを選べます。
日東(NITTO)
日東は自転車パーツメーカーの一つで、主にパイプ系の部品を扱っています。例えば、ハンドルやステム、シートピラー、ボトルケージなどです。
日東のロードバイク用ハンドルはカーボンが僅かにある以外はほぼアルミです。トラック用にはスチールやクロモリハンドルもあります。
日東の自転車パーツは、金属チューブ加工の伝統的な技術を持つ職人が、手ずから仕上げた高品質な部品です。まさに「質実剛健」という言葉がぴったりと当てはまるメーカーと言えるでしょう。
RITCHEY(リッチー)
リッチ―の原点とも言える、『機能的で軽量かつ信頼できる製品づくり』をモットーに作られた自転車パーツは、世界的に高い評価を得ています。その思想はフレームに色濃く受け継がれており、トッププロへ提供されているほどです。
もちろん、ハンドルやステム、シートピラー、ホイールも、軽量化と高剛性に余念がありません。過去の世界選手権ではリッチ―コンポ搭載車で優勝した選手がおり、その大きな実績から信頼も勝ち得ています
EASTON(イーストン)
イーストンは、自転車部品だけでなく他のスポーツ用品も扱う総合メーカーです。他分野に幅広く着手していることで専門性が欠ける、といった心配がないほど品質のよいパーツを生み出しています。
ハンドル素材は、イーストン独自の合金を使用しています。アルミはEA、カーボンはECと割り振られ、後に続く数字が大きいほど、上位グレードで高品質です。
グレードがわかりやすい点や、ないメーカーにはないエアロハンドルをイーストンでは販売しているという点でも魅力的です。
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ロードバイク用ハンドルの選び方
ロードバイク用ハンドルの選び方は、形状や素材、メーカーだけではありません。まだ重要なポイントが残っています。
自分に合ったハンドルを選び、後悔しない買い物をするためにもよく吟味できるポイントです。下記のポイントからも、ロードバイク用ハンドルを注意して選びましょう。
ロードバイク用ハンドルの選び方を以下の3つのポイントから解説します。
- 各部分の幅で選ぶ
- 価格で選ぶ
- グリップの握りやすさで選ぶ
各部分の幅で選ぶ
まず1つ目はハンドル幅で、これは自分の肩幅と同じ長さが理想的です。肩幅より短ければ速さを重視した、安定感を犠牲にした走りになります。長ければ、安定感を優先して速さを犠牲にします。
2つ目は、上ハンの曲線からブラケットまでのリーチ幅です。長いほど姿勢・ポジションに変化がつけられる反面、初心者には扱いづらいです。短いほど姿勢制御が楽になります。
3つ目は、ブラケット接続部分から下ハンまでのドロップ幅です。楽な浅い前傾姿勢で走りたいなら短いものを、速くて深い前傾姿勢なら幅の長いものを選ぶとよいでしょう。
4つ目は、ロードバイクの設置には外せないクランプ径です。そのロードバイクに適したクランプ径を選ばなければ設置できないので要注意です。
価格で選ぶ
ロードバイク用のハンドルも、価格は実にピンキリです。数千円のものから数万円のものまであります。数万円からスタートする他の自転車パーツよりは、購入しやすいでしょう。
自転車パーツも上位グレードに交換すれば、走行性能が上がったとすぐ実感できるものもあります。ハンドルも扱いや乗り心地のわかりやすいパーツの一つです。比較的購入しやすい価格帯でもあるため、パーツのグレードアップをハンドルから始めてみるのもおすすめです。
また、ハンドルにも性能を重視したい気持ちもあるでしょう。性能がわかりやすいだけに、カーボンハンドルなどは特に魅力的です。しかし、後悔しない買い物をするためにも、予算の範囲内で収めることをおすすめします。
グリップの握りやすさで選ぶ
ハンドルをより上手く操作し、効率的な走りをするためにも、グリップの握りやすさは重要です。街中でも車道でも、操作性が悪いと事故の原因になります。また、要らない力を入れてしまって疲れることもあるでしょう。
先述したシャロ―やアナトミック、アナトミックシャローには、それぞれ適したシーンがありました。しかし、まずはいまの自分のレベルに合った、握りやすいハンドルが一番です。
自分が握りやすいロードバイク用のハンドルを使うなら、よりパフォーマンスが向上して楽しく走れるでしょう。せっかくの「走るため」のハンドルなので、ぜひとも有効的に使用したいものです。
また、ハンドルを握りやすくするためにバーテープを巻くこともおすすめです。
ロードバイク用ハンドルの調整方法
ロードバイクで快適に走るために、ハンドルの調整は不可欠です。クランプボルトを緩めると、ハンドルの角度調整ができます。高さの調整は、ステムとハンドルを一度引き抜き、スペーサーの順序を変えることで可能です。
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ロードバイク用ハンドルのおすすめ人気10選
お待たせしました。それでは人気がある、おすすめのロードバイク用ハンドル10点を、紹介していきます。下記ハンドルを見ていけば、より選び方がわかるようになるでしょう。自分に適したロードバイク用ハンドルを選ぶ参考にしてください。
THOMSON-CARBON ROADの詳細情報
素材 | カーボン |
ドロップ | 145mm |
リーチ | 75mm |
重量 | 190g(420mm) |
幅 | 400,420,440mm |
クランプ径 | 31.8mm |
エアロ形状に深いドロップで空力性能よし!トムソンの初カーボンハンドル
CARBON ROADは、トムソンがカーボンでは初めて手掛けたハンドルです。形状はアナトミックシャローで、コンパクトリーチ、深めのドロップが特徴です。また、ハンドル全体の形とは別にした、空気抵抗が少ないエアロ形状でもあります。
アナトミックシャローとショートリーチ、までは初心者に優しい仕様です。とはいえ、初心者というよりは前傾姿勢に慣れた人向けの部分もあります。それは深い前傾姿勢を保てる、標準値よりも長いドロップ幅です。
カーボン素材による高い剛性と衝撃吸収性は、速度も疲労もよい方へシフトしてくれます。また、エアロ形状と深い前傾姿勢は、より空気抵抗を緩和させます。そのため、ロードバイクで速く走りつつもできるだけ扱いやすい、中級者以上向けのハンドルです。
THOMSON-ALUMINUM ROAD BAR, AERO PROFILEの詳細情報
素材 | アルミ |
ドロップ | 148mm |
リーチ | 89mm |
重量 | 230-240g |
幅 | 400、420、440mm |
クランプ径 | 31.8mm |
初交換や練習用にも!初心者におすすめアルミハンドル
同じくトムソンから紹介するのは、アルミハンドルです。上記のカーボンハンドルに比べると、やはり重量は30g前後増えています。反面、価格はカーボンよりもぐんと低く、1万円ほど安く購入できます。
アルミは剛性も衝撃吸収性もカーボンよりは劣るため、短距離での走行がおすすめです。走行性能自体がカーボンより低いとはいえ、アルミの方が低コストで強度も高いので、気軽に使えます。
トムソンのALUMINUM ROAD BAR, AERO PROFILEも、カーボンロードバー同様に、ショートリーチと長いドロップ幅が特徴です。一般的なアルミハンドルはレースやロングライドでなければ、十分に楽しめる素質を持っています。
ALUMINUM ROAD BAR, AERO PROFILE扱いやすさの点で初心者に向いており、カーボンと違って練習用にもできます。
3T-Superleggera LTD Stealthの詳細情報
素材 | ハイモジュラスカーボン |
ドロップ | 148mm |
リーチ | 105mm |
重量 | 166g(420mm) |
幅 | 400、420、440mm(C-C) |
クランプ径 | 31.8mm |
上位グレードカーボン使用!決戦用の高性能ハンドル!
イタリアの自転車パーツメーカー3Tから、始めにおすすめするハンドルはSuperleggera LTD Stealthです。3Tロードバイク用ハンドルの中でも上位グレードに位置しています。
ハンドルの形状はラウンドドロップを、素材はハイモジュラスカーボンを採用しています。ハイモジュラスカーボンは、通常のカーボンを大きく引き離すほどの高い性能で、価格も高いです。
Superleggera LTD Stealthがカーボンハンドルの中でも、抜きんでて軽量なハンドルとなっているのはそのためです。それだけ3Tの技術力が高いとも言えるでしょう。
Superleggera LTD Stealthはラウンドあるいはシャロ―の形状をしているため、年季の古さで似たり寄ったりな、クロモリまたはスチールフレームに似合っています。軽量かつ高剛性なので、握り方をクリアすれば、レースで競い合うライダーにうってつけのハンドルです。
3T-AERONOVA TEAMの詳細情報
素材 | カーボン |
ドロップ | 127mm |
リーチ | 104mm |
重量 | 220g(420g) |
幅 | 400,420,440mm(C-C) |
クランプ径 | 31.8mm |
平地巡航におすすめ!空気抵抗が少ないカーボンエアロハンドル
シリーズ名の後に付く、PROやTEAM、LTDは素材のグレードを示します。素材はそれぞれ、PROはアルミ、TEAMはカーボン、LTDはハイモジュラスカーボンです。
つまりAERONOVA TEAMは、ミドルグレードカーボン素材のハンドル、ということになります。AERONOVA PROなら、アルミのエアロハンドルになるので重い反面、それはそれで珍しい組み合わせが体験できるでしょう。
AERONOVAは空気抵抗を軽減するエアロ形状をしており、平地巡航に適したハンドルです。TEAM以上のグレードならカーボンの高い衝撃吸収性も付いています
深い前傾姿勢がとれてポジション変更が利く長めのリーチ幅、空気抵抗を減らすエアロ形状、TTフォームができる偏平なフラット部分が特徴です。平地がメインの中級者以上におすすめのロードバイク用ハンドルです。
3T-TORNOVA PROの詳細情報
素材 | AL 7075 |
ドロップ | 139mm |
リーチ | 83mm |
重量 | 285mm(420mm) |
幅 | 400、420,440mm(C-C) |
クランプ径 | 31.8mm |
プロの意見を取り入れた握り心地のいい万人受けハンドル
TORNOVAは同じ3TハンドルのERGONOVAとROTUNDOの、握り心地の点でいいとこ取りをしたハンドルです。ERGONOVAはプロライダーの希望を叶えた握り心地のよい形状で、長時間走行も視野に入れた性能なっています。
ROTUNDOはロードバイク用ハンドルの伝統的ラウンド形状を踏襲した、万人向けの形状です。TORNOVAはこの2つの利点を組み合わせたため、深めのドロップでも快適な握り心地を実現しています。
アルミは、基本的にカーボンよりも剛性が低い割に硬い(衝撃吸収力が低い)です。しかし、TORNOVAが素材に依存しない、握り心地のよい形状をしているため、アルミでも比較的疲労を抑える効果が期待できます。
TORNOVA PROはアルミの強度も相まって、初心者に優しい仕様になっています。価格もかなり抑えられており、購入しやすいです。
NITTO-Mod.90 SSBの詳細情報
素材 | カーボンファイバー |
ドロップ | 128mm |
リーチ | 78mm |
重量 | 238-248g |
幅 | 380、400、420mm |
クランプ径 | 31.8mm |
共同開発で専門分野を生かした日本のハンドル
日東のおすすめハンドルは、創業90周年記念として製造されたMod.90 SSBです。日本自転車ブランドのグラファイトデザインとの共同開発製品でもあります。
グラファイトデザインはゴルフのカーボンシャフト製造技術を駆使した、しなりのあるフレームで人気です。Mod.90 SSBには、新進気鋭のカーボン技術と日東の伝統的な技術が織り込まれています。
日東の製品検査基準はヨーロッパのそれを遥かに超えており、妥協がありません。また、日本のメーカー同士が作った物であるため、日本人でも使いやすいです。
基本設計は日東によるものであるため、ドロップは人気のあるM106と同じ深曲がりの仕様になっています。扱いやすいM106と同じ形状で高強度カーボン製という、美味しいとこ取りのハンドルです。
RITCHEY-WCS LOGICⅡHANDLEの詳細情報
素材 | アルミ |
ドロップ | 幅380、400mm:125mm、幅420mm:132mm |
リーチ | 72mm(幅380、400mm)、78mm(幅420mm) |
重量 | 233g |
幅 | 380、400、420mm |
クランプ径 | 31.8mm |
ドロップ&リーチ幅が選べる!さまざまなライダーに幅広く対応したドロップハンドル
RITCHEYのLOGICⅡの特徴は、リーチ幅とドロップ幅がハンドル幅ごとに違うものを選べることです。LOGICⅡは、自分に適したサイズとポジション、走り方に合わせられます。他のハンドルに比べて選択肢が多いため、融通が利くところが魅力的です。
形状は3種の中でもスポーツ寄りのアナトミック、素材はアルミを採用しています。アルミハンドルの割に軽量な仕様になっています。
アナトミック形状は多少人を選ぶ傾向があるため、万人向けのアナトミックシャローに人気が集中しがちです。しかし、LOGICⅡは、ドロップはそれほど深くないうえにショートリーチです。
さらに自分に合ったサイズとリーチとドロップ幅を選べるため、いろいろなライダーに幅広く対応しています。
RITCHEY-COMP STREEMⅡHANDLEの詳細情報
素材 | アルミ |
ドロップ | 128mm |
リーチ | 78mm |
重量 | 325g |
幅 | 400、420mm(C-C) |
ちょっと重めで安価なオールラウンドエアロハンドル
先述のLOGICⅡのグレードがレース向けのWCSであったのに対し、COMPは大衆向けのグレードになっています。そのため、価格も低めで手に取りやすいです。
STREEMⅡHANDLEは、COMPグレードでありながら空気抵抗を減らすエアロ形状になっています。ハンドル上部がウィング形状になっており、これがエアロ効果を生みます。ただ、アルミ製ということもあって若干重めです。
その平面さやショートリーチ、浅めのドロップ、アナトミック形状という組み合わせは、活躍できるシーンが多めです。この価格とアルミにして、握り心地と踏ん張りが利くよさには注目できます。
アルミには、剛性の低さや硬さ、重さはあります。しかし、RITCHEYのCOMP STREEMⅡHANDLEは、それだけでなくロングライドやヒルクライムも可能、しかも安価なのでおすすめです。
EASTON-EC70 Aeroの詳細情報
素材 | EC70カーボン |
ドロップ | 125mm |
リーチ | 80mm |
重量 | 255g(420mm) |
幅 | 400、420、440mm |
クランプ径 | 31.8mm |
違うのは素材グレードのみ!上位グレードと同じ形のエアロハンドル!
EC70 Aeroは文字通りエアロ形状のハンドルです。リーチ幅ドロップ幅共に扱いやすい長さになっており、フラット部分の偏平さはTTフォームもしやすい形状になっています。
空気抵抗が少ないほど巡航の効率もよくなるのでロングライドに最適です。カーボンの振動吸収性で疲れにくいのもポイントです。
ハンドルをしっかり握れて、しかも軽量であるため、ヒルクライムでも活躍できます。ケーブルが内蔵できる仕様で、見た目がすっきりするだけでなく、空気抵抗の軽減にも役立っています。
素材はイーストンEC70カーボンで、EC90 Aeroより走行性能は落ちます。しかし、形状は共通であるため、違うのは価格と剛性、重量、デザインくらいです。剛性がEC90より低いという点では、衝撃吸収性はEC70の方が勝っています。
Easton-E100の詳細情報
素材 | E100カーボン |
ドロップ | 125mm |
リーチ | 80mm |
重量 | 178g(420mm) |
幅 | 400、420、440mm |
クランプ径 | 31.8mm |
登りも平地もレースも活躍!高性能カーボンハンドル
イーストン独自の最高グレードE100カーボンを使用した、ロードバイク用ハンドルです。軽量化に伴いがちな性能の劣化はなく、むしろイーストン中最軽量かつ高性能なハンドルに仕上がっています。
E100ロードバーはエアロ形状ではない分EC70 Aeroより軽い、というのはあります。しかし、先述のEC70よりも素材グレードは2つ上とはいえ、重量は雲泥の差です。
E100ロードバーも、リーチ幅やドロップ幅が万人向けの長さになっています。そしてEC70と同じく「Maximum Contact Drop (MCD) 」デザインを採用しているため、手首の負担の軽減が期待できます。
走行性能だけでなく、握りやすさや快適性も重視しているため、長時間乗るロングライドや、ペース配分が重要なヒルクライム、全力スプリントをするレース、どれにも対応した高性能ハンドルです。
コスパ最高!安いハンドルおすすめ人気5選
ロードバイクはただでさえ値が張る自転車です。他のパーツ交換も視野に入れるなら、できる限り少ない出費で留めたい人もいるでしょう。そこで、コストパフォーマンスの優れた、おすすめのハンドルを紹介していきます。
NITTO-Neat Mod.104の詳細情報
素材 | アルミ合金/焼き入れ |
ドロップ | 140mm |
リーチ | 65mm |
重量 | 290-310g |
幅 | 380,400,420mm |
クランプ径 | 26.0mm |
深い前傾がとれて、しかもコンパクト!最初の交換にもおすすめ
日東のNeat Mod.104は5000円前後(2018/10/04時点)と安価で、最初の交換の際に気軽に購入できる価格帯です。ただのアルミではなく、焼き入れ加工がされたアルミを使用したハンドルです。この加工により、通常のアルミよりも耐久性が高くなっています。
また、サイズにも注目できます。ショートリーチにしてもさらに短めで、ハンドル幅も380mmと、かなりコンパクトです。その割にドロップ幅は長く、深い前傾姿勢がとれるところも意外性があります。
Neat Mod.104の仕様で注意すべきは、クランプ径です。ロードバイク用ハンドルのクランプ径は主に3種類あり、Neat Mod.104の場合は26.0mmになっています。
クランプ径とロードバイク本体とが合わないとハンドルが取り付けられないため、購入前のチェックは必ず行いましょう。
Deda-RHM 02の詳細情報
素材 | 冷間引き抜き 6061ダブルバテッドアルミニウム製 |
ドロップ | 127mm |
リーチ | 75mm |
重量 | 295g(42mm) |
幅 | 420、440mm(外-外) |
クランプ径 | 31.7mm |
DEDA特許技術のRHM採用!ドロップ浅めでポジション変更可能
DedaのRHM 02の価格は驚きの4,000円台(2018/10/04時点)です。その低価格の秘密の一つは、冷間引き抜き 6061ダブルバテッドです。
ダブルバテッドはコストを低くでき、その代わりに重いことが特徴です。また、切削の必要がない冷間引き抜き加工を採用していることで、コスト低減を図っています。
冷間引き抜き6061とは、塑性加工性の優れた6000系アルミに、塑性加工の冷間引き抜き加工を施していることを示しています。研磨も必要としない加工なため素材の無駄が出ず、低コストです。また、引っ張り強度が高くなることも利点です。
RHM 02は名前の通りフラットが持ちやすい、DEDA特許技術のRHM形状です。RHM 02はエアロ形状でもあるほか、浅めのドロップでポジションの変更に対応しています。
RITCHEY-COMP LOGIC CURVEの詳細情報
素材 | 6061ダブルバテッドアルミ |
ドロップ | 128mm |
リーチ | 73mm |
重量 | 300g(420mm) |
幅 | 380、400、420mm(C-C) |
クランプ径 | 31.8mm |
上位グレードと同じ形状!安くてしなやかなアルミハンドル
RITCHEYのCOMP LOGIC CURVEは、軽さを犠牲にコストダウンした6061ダブルバテッドアルミを採用しています。そのため、6000円前後(2018/10/04時点)の低価格帯アルミハンドルとなっています。
6000系アルミは、硬いアルミよりも剛性が低いので、逆に衝撃吸収性はある方です。また、加工がしやすい塑性加工性と、しなやかさを持ち合わせています。
そのため、成形ではアルミ以上に融通の利くカーボンのCARBON LOGIC CURVEと同様の形状になっています。これには6061-T6の特性を利用したこと大きいでしょう。
上位グレードの形状であるため、形に由来する性能に安心感があります。ショートリーチと浅いドロップは人を選びません。しかし、もう一つの特徴である、ポジションの変化をつけられる曲線には、好みが出るでしょう。
そこそこの性能で安価であるため、初心者が自分の走行スタイル探しに使ってみるのもありです。
EASTON-EA30 DG Ergo RB 31.8の詳細情報
素材 | イーストンEA30アルミニウム |
ドロップ | 143mm |
リーチ | 87mm |
重量 | 300g |
幅 | 380、40、420、440mm(C-C) |
クランプ径 | 31.8mm |
完成車ハンドルからの交換にもおすすめ!人間工学に基づいているので握りやすい!
イーストンの下位グレード素材イーストンEA30アルミニウムを使用した、ロードバイクハンドルです。それだけに、イーストンハンドルの中ではかなり低い価格の4000円前後(2018/10/04時点)で販売されています。
どうしても「速さ」という要素で、物足りなさは感じるかもしれません。しかし、素材グレードこそ低いとはいえ、イーストンが展開するロードバイクハンドルの一つです。強度などの品質チェックに手抜かりはありません。
EA30 DG Ergoと名前にある通り、エルゴノミックドロップデザインを採用した、人間工学に基づいた造りになっています。しっかりとハンドルを握れる、グリップ感のよさがメリットです。
安価で硬いアルミハンドルなので、ロードバイクハンドルの初交換時のステップアップ用としてもおすすめです。
NITTO-M106-NASの詳細情報
素材 | アルミ合金/焼き入れ |
ドロップ | 128mm |
リーチ | 78mm |
重量 | 300-320g |
幅 | 380、400、420mm(C-C) |
クランプ径 | 26.0mm |
レース向きなのに1万円弱!扱いやすい万人受けアルミハンドル
NITTOのM106-NASはレース向きのアルミハンドルです。価格が約1万円弱(2018/10/04時点)と、コストパフォーマンスに優れた、「安さ」になっています。
リーチ&ドロップの長さに加え、アナトミックシャロー形状であることもライダーを選ばない、扱いやすいハンドルになっています。また、偏平な形状のショルダー部分にも注目です。これは、フラットからブラケットまでを偏平にして、しっかりと握れるようにする効果があります。
重量は、アルミハンドルとしては平均的か少し軽い部類に入ります。耐久性のある、焼き入れアルミ合金という点も評価のポイントです。
レース初体験で落車しない自信が無かったり、初心者が完成車付属ハンドルと交換したりする時などにもおすすめです。
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一風変わったハンドルおすすめ人気5選
皆さん一回は思わず二度見するような、ロードバイクハンドルに出くわしたことがあるのではないでしょうか。どんな使い方や性能なのか、見た目だけではなかなか理解できないはずです。
そこで、一風変わったおすすめで、人気のハンドルを5点紹介します
PROFILE DESIGN-SVET V カーボン(31.8)の詳細情報
素材 | UDカーボン/グロスブラック |
ドロップ | 60mm |
重量 | 200-210g |
クランプ径 | 31.8mm |
レースもOK!深い前傾がとれるブルホーンバー
ロードバイクで最も一般的なハンドルの種類は、いままで紹介してきたドロップハンドルです。しかし、ロードバイクで使えるハンドルには、牛の角のような形状をしたブルホーンバーと呼ばれるものもあります。
SVET V カーボン(31.8)もそのブルホーンバーの一種です。一般的なブルホーンバーの特徴は、ドロップハンドルほどの前傾姿勢にならないことです。しかし、PROFILE DESIGN SVET V カーボン(31.8)の場合は少し異なります。
というのも、SVET V カーボン(31.8)は、ブルホーンバーにして深い前傾姿勢がとれるディープドロップデザインを採用しているからです。前傾姿勢による空気抵抗の軽減においては、見た目に反してドロップハンドル寄りです。
Ruler-ブルホーンバー 26.0mm JD-RA07D の詳細情報
素材 | アルミ |
重量 | 245g |
幅 | 380mm |
クランプ径 | 26.0mm |
ハンドル径 | 24.0mm |
初心者におすすめ!気軽に走れるブルホーンバー
Ruler ブルホーンバー 26.0mm JD-RA07Dは、一般的な形状のスタンダードタイプです。速さを意識したSVET V カーボン(31.8)とは違って、姿勢が楽なサイクリング向きです。
基本的にブルホーンバーは、身体の負担が少ない適度な前傾姿勢を保てるのが特徴です。スタンダードな形状はまさにそれです。そのため、ドロップハンドルのような深めの前傾姿勢が怖い、街中でも気軽に走りたい、という人に向いています。
Ruler ブルホーンバー 26.0mm JD-RA07Dは、アルミハンドルであるため多少重めです。しかし、フラットバーよりは登りに強いメリットもあります。
そのため、一般車からロードバイクに乗り換えた時に、ドロップハンドルに怖さを感じてしまう場合は、ゆったりとしているRuler ブルホーンバー 26.0mm JD-RA07Dがおすすめです。
DEDA-PARABOLICA ZEROの詳細情報
素材 | 7003アルミ合金 |
重量 | 396g |
形状 | ストレート |
リーチ | 310mm |
クランプ径 | 31.7mm |
DHバー上級者向け!深い前傾がとれるストレートベント
DEDAのPARABOLICA ZEROは、エクステンションがストレートタイプのDHバー(エアロバー)です。DHバーもロードバイクハンドルの一種で、ロードバイクにDHバーを取り付ければ、TTバイクになります。
DHバーは、いかに空気抵抗を減らすかに重視したタイプのハンドルです。TTレースに出たい人やハンドルとサドルの高さを同じにするほどの深い前傾姿勢をとれる人向けです。また、ポジションの種類を増やせる利点もあります。
PARABOLICAシリーズには、3種類のエクステンションがあり、ZEROはその中でも短距離向きの性能になっています。ストレートタイプのZEROの場合、前傾姿勢は一般的なSベント系以上に深くなります。
そのため、PARABOLICA ZEROは、DHバーの上級者向けのハンドルになります。
PROFILE DESIGN-T2+ DL エアロバーの詳細情報
素材 | アルミ |
重量 | 444g |
スタック | 60~120mm |
リーチ | 50mm(後)~20mm(前) |
幅 | ブリッジを含み210mm(C-C) |
エクステンション調整:120~170mm | 444g |
クランプ径 | 26.0/31.8mm |
自分に適した調整が可能!ITU公認DHバー
TTレースはロードレースとは違って、空気抵抗を自分一人で受けるのが特徴です。そのため、空気抵抗をとことん減らすことが重視され、深い前傾がとれるDHバーが用いられます。
PROFILE DESIGNのT2+ DLエアロバーは、エクステンションが短めなので、通常の長さのものより空気抵抗が小さく済みます。また、エクステンションが短いことで、浅すぎず深すぎない前傾を保てます。
DHバーは難易度が高めのハンドルです。その中でもPROFILE DESIGNのT2+ DLエアロバーは、前傾姿勢を深すぎない位置で止められるので扱いやすい部類に入ります。
また、エクステンションの長さや、アームレストの位置が調整可能な点も魅力です。その時の自分に最適なポジションを探し出せる、融通の利くDHバーとなっています。
Vision-METRON 5Dの詳細情報
素材 | カーボン |
ハンドル | 420mm |
ステム部 | 100mm |
ドロップ | 125mm |
リーチ | 80mm |
スタックハイト | 40mm |
トップキャップ | 5mm |
ハンドルエンド幅 | 芯-芯表記サイズ+10mm |
重量 | 395g |
プロも愛用!ステム一体型ハンドル
VisionのMETRON 5Dはロードバイク用のステム一体型エアロハンドルとして、大変有名で人気です。また、トッププロが愛用するほど信頼されているハンドルでもあります。
まずステム一体型の特徴として、ハンドルを繋ぐステムとを合体させていることが挙げられます。結合部の重さや空気抵抗を軽減できることがメリットです。ただし、ステムの調整ができなくなるデメリットもあります。
軽量で、強度と剛性の高いカーボンを使用しています。プロが使用するほどなので、剛性は高く、走行性能は保障されていると言っても過言ではありません。
腕の位置を、ストレスフリーなポジションに保てる形状になっています。また、ドロップとリーチの幅は万人受けするサイズで、人間工学に基づいた握りやすい下ハンも特徴です。
まとめ
自分が楽しく走るためにはどんなロードバイク用のハンドルを選べばいいのか、だいたいわかったのではないでしょうか。逆に、その多様さを利用して、いろいろ試してみるのも一つの楽しみ方です。どちらにしても、よく吟味して、後悔のない買い物をしましょう。