ハンドボールと言えばスピードのあるシュートや、パスで攻撃を組み立てることが非常に魅力的なスポーツです。
シュートやパスというのは、ハンドボールの中でも最も基本的な「投げる」という動作から成り立っています。
「ボールを投げることなら誰だってできるのでは?」と思った方もたくさんいるかもしれませんが、種類は少ないものの、ボールの投げ方というのが存在します。
ボールの投げ方を覚えることで味方へのパスはもちろん、シュートだってもっと速いボールを投げられるようになるかもしれません。
今回はハンドボールでのボールの「投げ方」について徹底的に説明していきたいと思います。
目次

スポンサードサーチ
ボールの握り方・掴み方
ボールを投げる前にまずはボールの握り方・指での掴み方を覚えましょう。
①ボールを握るときはまずじゃんけんのパーのように手を開き、ボールに手の力が伝わるよう、5本すべての指でボールを握ります。
②その時両端にくる親指と小指でボールを支え、残り3本の指はボールの真ん中に来るようにしておきます。
③そして握るときはなるべくしっかりと握りすぎないように、特に3本の指を自由に動かせるようにしておきます。
回転が掛かっていないボールは空気抵抗でボールが不規則に揺れ動いてしまうので、パスを受ける味方が取りにくいボールになってしまいます。
必ず3本の指で縦回転をかけてまっすぐボールが飛ぶようにしましょう。
以下の動画で詳しく見てみましょう。
ハンドボールの投げ方は何種類?
ハンドボールの主な投げ方には
・オーバースロー
・サイドスロー
の2種類があります。
それぞれの投げ方についてどんな投げ方・どのような場面で使うと効果的か・投げ方のコツなどを解説していきたと思います。
スポンサードサーチ
オーバースロー
オーバースローでの投げ方はハンドボールで最も使われる投げ方です。
最も使われる投げ方であるため、必ずマスターしたいスキルとなります。
投げ方
今回は右利きの場合で説明していきます。
①まず、左足を前にし、半身になって横向きの状態にしておきます。
②次に腕を引いてから投げる時は肘が自分の右耳の上を通過するように高さまで腕を高く上げます。(左利きの場合はこれらの動きをすべてを逆にしてください。)
③ボールを放すときは、ボールにスピードが加わるようにするため、腕と肘を鋭く振り、先ほど説明したように小指と親指以外の3本の指で回転をかけます。
そうすると空気抵抗に負けずにブレが生じないまっすぐのボールが飛んでいきます。
最初に半身の状態にしておいたのは、投げる時に振る腕とともに腰を回転させるためです。
体が正面、もしくはを横向いたままで腕だけ振っても、腕の力しか使えないのでボールが飛んでいきません。
腕と一緒に体全体を使って力を伝えるようにしましょう。
投げ方のコツ
投げ方のコツとしては、
【振りかぶった時】
手首と腕が後ろで外側を向くようにします。こうすることでよりボールを放すまでの動きを大きくできるからです。
【ボールのリリース(放す)時】
腰を一緒に回転させながら前に持っていきます。腕だけの回転だと体全体に体重が乗らずに、腕ばかりが疲れてしまうのでおすすめできません。
体全体に体重を乗せるには、半身の状態から腰を一緒に回転させ、腰の回転力と同時にボールを投げるようにすることです。腰の回転とともに腕も自然と投げる方向に動くと思います。
また、腰の回転とテイクバック(ボールを後ろに引くこと)をあまり使わずに早いタイミングで打つクイックオーバースローという投げ方もあります。
また、試合中は相手のディフェンスが身体接触を使って止めにくるので、相手の一瞬の隙を突くためにも、クイックで投げるスキルは絶対に必要です。
以下の動画で詳しく見てみましょう。
特徴
それでは、ハンドボールでオーバースローを使うことによってどのようなボールを放つことができるのでしょうか?
オーバースローは腕を上から下に縦に振るため、先ほどの3本の指で回転をかければ、縦回転がかかったボールを投げられます。
縦回転のかかったボールは空気の圧力に押されることが少ないのでまっすぐ飛んでいきます。
つまり、腕の振りや肘の動きを鋭くすればよりスピードのあるボールが投げられるようになるのです。
また、オーバースローは遠くにいる味方にパスを送る投げ方としても有効です。
ボールを放す場所が頭よりも高くなるため、当然ボールの軌道は高くなります。ボールの軌道が高くなるということは空中にボールがある時間も長くなるので、遠くにいる味方にボールを届けられるのです。
サイドスロー
投げ方
サイドスローの投げ方は、若干体の軸を利き手側に倒し、腕を横にして腰の回転を使いながら投げます。
「サイドスロー」という名の通り、腕を横に倒して振り抜き、最後に指の動きと手首をひねって回転を与えます。
投げ方のコツ
オーバースローと一緒で、サイドスローの場合もあまりゆっくり動作していてはすぐに相手につかまってしまいます。
ただ、速い動作でサイドスローを行うと、先ほど説明したような十分な腰の回転を使うことが難しくなります。
そこで大切なのが手首の動きです。
投げる最後の瞬間に手首を外側·内側にひねれるとボールを左右に飛ばすことができ、キーパーの逆をついたり、タイミングを外したシュートを打つことができるようになります。
さらに、上下にもコントロールできれば、キーパーの取りづらいゴールの四隅にシュートができるようになります。
そのため、腰や腕を動かす速さと手首のひねりがサイドスローを試合で使えるようにするためのコツになります。
特徴
次にサイドスローの特徴と使用できる場面について詳しく説明していきたいと思います。
サイドスローは横から腕を振るため、オーバースローのように腕を高く上げる必要がありません。
そのため、腕と腰の動きを鋭くすると、低い弾道の速いボールが投げられるようになり、キーパーに予測の時間を与えないシュートを打つことができます。
また、サイドスローを身につけると「ブラインドシュート」といい、キーパーから見るとディフェンスの横から突然ボールが横から出てくるようなシュートを打てるようになります。
ただし、サイドスローは味方にパスをするシーンではあまりおすすめできません。
理由はどうしても腕が下から出てしまうためにボールが低くなってしまい、取りやすい胸の位置にボールを届けられないからです。
ですから、やはりサイドスローを活かすならパスよりもブラインドシュートで使うのがおすすめです。
バリエーションを増やして点を取るためにもサイドスローのブラインドシュートとオーバースローのシュートが使い分けられるようにしましょう。
スポンサードサーチ
投げ方を覚えたら練習しよう!
さて、投げ方のコツがわかったら、早速実践で使えるような練習をしていく必要があります。
以下の動画では海外で導入されているパスに特化した練習を紹介しています。
相手につかまりにくくするため、足を動かしながらでもオーバースローで早いタイミングで投げる練習や、ボールを後ろに大きく引く動作を加えずに正面を向いてパスする練習を取り入れていることがわかります。
以下の動画を参考にして、普段の練習に取り入れてみましょう!
トヨタ車体BRAVE KINGS所属 藤本純季選手にSPOSHIRU編集部が聞いた!

SPOSHIRU編集部がこの記事の監修者である藤本選手にハンドボールの投げ方について色々とお聞きしました!
オーバースローでの投げ方のコツは?

SPOSHIRU編集部
Q.オーバースローでの投げ方のコツは何でしょうか?また、どんな場面で使うことが多いですか?

藤本選手
オーバースローの投げ方のコツは腕を大きく回さないことです。下からボールを回すのではなく、自分の肩の後方に最短距離で引くことで体のバランスを良い状態に保ちパスが出来ます。使う場面としては、パスする相手と10m以上離れてる場合はオーバースローを使う場合が多いです。それより近い場合は、プッシュパスやラテラルパスを使うことが多いと思います。
サイドスローの投げ方のコツは?

SPOSHIRU編集部
Q.サイドスローでの投げ方のコツは何でしょうか?また、どんな場面で使うことが多いですか?

藤本選手
サイドスローの投げ方のコツは体の軸を倒さないことです。頭が傾いてしまうとなかなか自分の思い通りの所に投げることが出来ません。なるべく体幹に力を入れていれ、体の軸をぶらさずに投げることが大切です。使う場面としては、主にシュートを打つ場面だと思います。
スポンサードサーチ
【記事まとめ!】この記事で覚えて欲しい3つのポイント
ここまでハンドボールの投げ方ついて紹介してきましたが、この記事で覚えて欲しいポイントは以下の3つです。
①オーバースローは上から腕を振り下ろして縦の回転をかける!
②サイドスローは腰の回転と手首のひねりを使う!
③試合で相手につかまらないよう、パスの動作を速くする!
この3つを覚えていただけたら、あなたの「ハンドボールの投げ方」はアップデートされたでしょう。