日本人2人目のNBAプレーヤーとして活躍する渡辺雄太選手や、全米大学バスケットボールのファーストチームにも選出されて、NBAドラフトで指名が確実とされている八村塁など、何かと明るい話題が続く日本バスケットボール界。
そんな日本男子バスケットボールは今年ワールドカップに出場します。
今回はワールドカップをさらに楽しく観戦するために、バスケットボールのルールについて、反則行為を中心に解説していきます。
ここでバスケットボールのルール知ることで、もっとバスケットボールに興味が湧いてくるはずです。

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バスケットボールの基本ルールと得点方法

バスケットボールは1チーム5人がコートの上でプレーすることが可能で、5対5の形式で行われます。
試合開始はセンターサークルと呼ばれるコート中央の円の中に各チーム1人ずつがセンターラインを挟んで位置し、審判が高く上げたボールをチップするジャンプボールから開始されます。
ボールを保持した選手は2歩まで歩くことが許され、それ以外はボールを地面につくドリブルを用いて前後左右に移動することができます。
一度ドリブルを開始した後に両手で保持し、再びドリブルすることは許されません。
得点は3ポイントエリアの内側のシュートは2点、3ポイントエリア外側からのシュートは3点、フリースローは1点が与えられます。
試合時間は反則やボールがコート外へ出たときなど、審判の笛が鳴ったときに止まり、試合再開と同時に再び時計も動き出すので、サッカーのようなアディショナルタイムはありません。
交代選手については、退場処分を受けた選手以外であれば、ベンチ内にいる選手に制限はなく、何度でも交代することが可能です。
バイオレーションとは
バスケットボールは、反則行為としてバイオレーションとファウルの2つに分けてルールを定めています。
反則行為の一つとされているバイオレーションとは、身体的接触に伴うファウル以外の反則行為をさします。
バイオレーションの反則を宣告されると、試合は止まり、相手のスローイングから試合が再開されます。
以下ではバイオレーションについて詳しく解説していきます。
まずは動画を見てみよう!
3秒ルール
3秒ルールとは、オフェンス側が対象となるバイオレーションで、相手チームの制限区域内、これをペイントエリアと呼びますが、このペイントエリア内にオフェンス側の選手は連続して3秒以上留まることが許されないというルールです。
一度ペイントエリアを出て再び入ることは許され、秒数は通算されません。
ペイントエリア内での過度の待ち伏せを防いでスピーディーな動きを促すためのルールです。
5秒ルール
5秒ルールは、次の3つのケースで適用されるバイオレーションルールです。
1つめはスローインの時です。スローインする選手は審判からボールを受け取ってから5秒以内にスローインを開始しなければいけません。
2つめは、コート内でボールを受け、5秒以内にドリブル・パス・シュートのいずれかのアクションを起こさなければなりません。
3つめは、フリースローの際、審判からボールを受け取ってから5秒以内にフリースローを行わなければなりません。
5秒ルールはリードしているチームの過度の時間稼ぎを防ぐためのバイオレーションです。
8秒ルール
8秒ルールは、オフェンス側のチームがバックコートからセンターラインを越えてフロントコートまでボールを運ぶ制限時間とされています。
相手チームの得点を許すと、エンドラインからのスローインで始まりますが、この際にディフェンス側のチームは激しくプレッシャーをかけて、8秒間バックコートに相手チームを留めることに成功すれば、バイオレーションによりマイボールにすることができます。
24秒ルール
24秒ルールとは、ボールを保持してからシュートを打つまでの制限時間とされています。
つまりオフェンス側のチームは24秒以内にシュートを打たなければならないということです。
また、この場合のシュートとは、シュートが入ればカウント、シュートがリングに当たらなければシュートとみなされません。
つまり苦し紛れに24秒手前でシュートを打ち、リングに当たらずに味方がそのままキャッチしてもシュートとは見なされず、24秒ルールのバイオレーションに抵触します。
さらに、シュートの時点とは、24秒のブザーが鳴るまでにシュートを打っても、ブザーが鳴った時点でボールがリングに当たらなければその時点でバイオレーションになります。
そして、シュートのボールが空中にある時点でブザーが鳴り、そのままボールがリングに入ればゴールは認められます。
トラベリング
トラベリングとは、ボールを保持したままドリブルをせずに3歩以上歩くことによるバイオレーションです。
また、両足をついた状態で、片足だけを離して左右に動くピボットプレーの最中に、軸足が動いてしまった場合にもトラベリングのバイオレーションに該当します。
バスケットボールを始めたばかりの方がまず最初に覚えるバイオレーションルールがこのトラベリングです。
ダブルドリブル
ダブルドリブルは、ボールを保持したプレーヤーが一度ドリブルを開始して両手で保持し、再びドリブルを開始することです。
バスケットボールではダブルドリブルとしてバイオレーションの反則行為に該当します。
また、両手でドリブルをする行為もダブルドリブルに該当します。
しかし、例外的に、リバウンドを取った後に一度両手でつくパワードリブルは許されています。
これは1度だけ許されており、2度続けるとダブルドリブルになります。
キックボール
キックボールとは、ボールを故意に足で蹴ったり、足で止めたり、足でボールを動かす行為をさします。
このキックボールに該当する要件に、「故意に」とあるので、故意でなければバイオレーションには該当しません。
つまり、足元にきたバウンドパスを取り損なって足に当ててしまった場合や、足を特に動かすことなく偶然に当たってしまった場合にはキックボールのバイオレーションに該当しないことになります。
アウト・オブ・バウンズ
アウト・オブ・バウンズとは、ボールがコート外に出ることをさします。
さらに、ボールがバックボードの裏や支柱などに当たった場合にもアウト・オブ・バウンズに該当します。
バスケットボールのルール上でのアウト・オブ・バウンズは、ボールが空中でラインを越えてもその時点ではアウト・オブ・バウンズとはならず、ボールがラインを越えて着地した時点でアウト・オブ・バウンズになります。
つまり、ラインを越えてもプレーヤーが飛び込んで手でコート内に戻すことでインプレーとなります。
ゴール・テンディング
ゴール・テンディングとは、シュートしたボールがリングよりも上にあり、かつ最高到達点を過ぎてリングに向かって落ちているときにボールに触れるバイオレーションです。
ディフェンス側の選手がゴール・テンディングを犯した場合にはその時点でゴールが認められ、オフェンス側の選手が触れた場合にはゴールは認められず、相手チームのスローインから再開されます。
あくまでもシュートに対するバイオレーションなので、アリウープのようなパスには適用されません。
インターフェア
インターフェアはゴール・テンディングに似たバイオレーションで、シュートしたボールがリング上にある場合にそのバスケットやバックボードに触れたり、叩いたり、揺らしたり、リングの下から手を入れてシュートのボールに触れることをさします。
元々はバスケット・インターフェアという名前でしたが、2005年度のルール改正に伴い、インターフェアと短縮した名前に変更されました。
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バスケットボールのファウルについて
バスケットボールのルールにおけるファウルとは、大きく分けてパーソナルファウルとテクニカルファウルの2つに分けられます。
そしてプレーヤーは1つの試合で5つのファウルを犯すと退場処分を受け、さらに1つのクォーター内でチームファウル数が5つめからは相手チームにフリースローが2本与えられることになります。
まずは動画で見てみよう!
パーソナル・ファウル
パーソナル・ファウルとは、コート上の選手同士の不当な接触によって起きるファウルをバスケットボールのルールとして規定したものです。
たとえば、相手プレーヤーを押したり、ユニフォームを引っ張ったり、抑えるといった行為があげられます。
以下ではパーソナル・ファウルについて詳しく解説していきます。
プッシング
プッシングとは、ディフェンスプレーヤーが相手プレーヤーを手で押す行為をさします。
また、手以外でもお腹や肩などで押す行為などもプッシングのパーソナル・ファウルに該当します。
プッシングはリバウンド争いやポストプレーの際に多く見受けられるパーソナル・ファウルです。
また、ゴール下などペイントエリア内で激しいポジション争いが繰り広げられますが、思いきり故意に押さない限りは、踏ん張ることでポジション争いする限りではプッシングの対象になりません。
ホールディング
ホールドとはつかむことを意味することから、ホールディングは相手プレーヤーをつかむことを意味します。
つかむとは、腕や型はもちろん、ポジション争いなどで相手プレーヤーを抱きかかえるうような行為もホールディングの対象になります。
マークしている相手オフェンスプレーヤーに振り切られそうになった際に、腕などをつかんでしまう行為をよく目にします。
また、ゴール下のポジション争いでも相手プレーヤーの身体に手を回してしまうケースが多々あります。
チャージング
チャージングとは、唯一のオフェンス側を対象にしたパーソナル・ファウルで、オフェンス側の選手がディフェンス側の選手を突き飛ばしたりする行為を罰するルールです。
オフェンスがディフェンスを突き飛ばすとは、例えばオフェンスプレーヤーがドリブルのままレイアップシュートを試みる際に、その正面にすでにディフェンスが立ちふさがっているにもかかわらずそのまま突っ込む行為をさします。
この接触プレーの際にどちらにパーソナル・ファウルを課すかの判断基準は、ディフェンスが先にコースにはいっていたか否かという点です。
ブロッキング
ブロッキングとは、相手プレーヤーがボールを保持していようがいまいが関係なく、相手プレーヤーの進行を身体を使って不当に妨げる行為をさします。
「不当に」とあるので、スクリーンプレーで自らが動かない壁になる行為は正当な行為です。
そして、オフェンスチャージングと紙一重のパーソナル・ファウルとして有名で、オフェンスより先にコースに入っていないと判断された場合にはブロッキングのパーソナル・ファウルを宣告されることがあります。
イリーガル・スクリーン
イリーガル・スクリーンとは、スクリーンプレーの際に、スクリーナーが動いたり、正しくないスクリーンを行った場合に課せられるパーソナル・ファウルです。
正しくないスクリーンとは、スクリーンとして両足をつけず、そのスクリーンをかわそうとする相手プレーヤーの動きを、自らも動きながら妨げる行為をさします。
このような行為はパーソナル・ファウルの対象になります。
イリーガル・ユース・オブ・ハンズ
イリーガル・ユース・オブ・ハンズとは、手を不当に使った接触によるファウルをさします。
バスケットボールでは相手プレーヤーに手や腕などが触れてもすぐさまファウルとはなりませんが、必要以上に触れている場合には審判にイリーガル・ユース・オブ・ハンズを宣告されます。
例えば、オフェンス側のドリブルと逆の手で相手ディフェンスを必要以上に払う行為はイリーガル・ユース・オブ・ハンズになる可能性があります。
ダブルファウル
ダブルファウルとは、オフェンスプレーヤーとディフェンスプレーヤーがほぼ同時にパーソナル・ファウルをお互いにおかしてしまうことをさします。
この場合、両者にパーソナル・ファウルが課せられます。
ダブルファウルの場合の試合の再開方法は、シュート後のダブルファウルで、シュートが成功した場合は、相手チームのエンドラインからのスローインでスタートします。
また、一方のチームがボールを保持していた、もしくはスローインのボールが与えられることになっていたときのダブルファウルは、ダブルファウルが起こった場所から最も近い位置から、元々ボールを保持していたチームのスローインで再開。
どちらのチームもボールを保持していない状況でダブルファウルが起こった場合はジャンプボールシチュエイションで再開します。
5ファウル
5ファウルとは、その出場している試合のみ(1クォーターから4クォーターまで通算して)でパーソナル・ファウルとテクニカル・ファウルの合計が5つに達した時点で5ファールを宣告され、退場処分を受けます。
退場になると当該試合への出場は認められません。
また、出場が認められないのは当該試合のみで、その後の試合には何ら影響を与えません。
テクニカル・ファウル
テクニカル・ファウルとは、試合中に身体の接触がない場面で発生する、反スポーツマン行為をさします。
そしてこのスポーツマンらしくない不適切な言動を罰するテクニカル・ファールは、プレーヤーのみならず、プレーヤー以外のベンチにも適用される点が特徴です。
コート上のプレーヤーによるテクニカル・ファールの主な例は、審判への抗議や暴言、挑発行為、ゲームの進行を妨げる行為、肘を激しく振り回したり、相手の目の前で手を振って視界を妨げる行為などがあげられます。
また、シュミレーションもテクニカル・ファウルの対象になります。
コート上のプレーヤー以外のテクニカルファールとしては、ヘッドコーチによる相手チームや審判への暴言、挑発行為、ゲームの進行を妨げる行為、正当な理由なしに勝手にベンチエリアを離れるという行為などもテクニカルファールの対象となります。
テクニカルファール後の処置は、コート上のプレーヤーによるテクニカル・ファールの場合には、チームファールに加算され、相手チームに2本のフリースローが与えられ、フリースロー後は相手チームのスローインによって試合が再開されます。
コート上のプレーヤー以外のテクニカルファールの場合には、フリースローとスローインは同様で、チームファールの加算なありません。
また、ベンチのコーチはテクニカル・ファール2回で退場、プレーヤーは3回で退場となります。
まとめ
バスケットボールの基本ルールと、反則行為であるバイオレーション、パーソナル・ファール、テクニカル・ファールを解説してきました。
バスケットボールには様々な反則行為があり、バイオレーションについては3秒ルールや5秒ルール、8秒ルール、24秒ルールといった制限時間が設けられている点が特徴といえます。
ちょっと難しくてわかりにくいルールかも知れませんが、どれも趣旨は同じで、時間稼ぎをなくし、バスケットボールらしいスピード感溢れる試合展開を促すことにあります。
ここでルールを覚えて、スピード感溢れるバスケットボールの試合を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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