車いすに乗りながら行うバスケットを、皆さんはご存じですか?
パラリンピックの種目としても、激しい種目に1つで、応援している方も熱くなってしまいます。
健常者と同じように、車いすを使用している方々がバスケットをしていますが、ルールが違うところなどはあるのでしょうか?
本記事では、車いすバスケのルールを、細かく分けながらご説明していきます。
車いすバスケに興味がある方や2020年東京パラリンピックに向けて、ルールを勉強したい方はぜひ参考にしてみてください。
目次

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車いすバスケとは
車いすバスケとは、コートや試合時間は一般的なバスケットボールと同じルールで、障害のある方が車いすに乗って行うバスケットボールのことです。
1940年代にアメリカが考案し、徐々に普及していきました。
現在では75カ国が同団体に所属しており、障害者スポーツのなかでも注目されつつあるスポーツです。
選手は障害の重さによって持ち点が異なり、一般的なバスケットボールよりもチームの総合力が求められます。
そのため、激しさの中にある緻密な戦略も見どころの1つです。
車いすバスケの基礎知識
下半身に障害のある選手が、車いすを使用して行うバスケットボールです。
細かい繊細な車いすの操作をしながら、素早くパスを回して健常者が行うバスケと変わりない激しいスポーツです。
障がい者スポーツの中でも人気や知名度が高く、パラリンピックの種目でも花形の種目とされています。
1960年のローマパラリンピック(第一回大会)から競技されており、日本で行われた1964年の東京オリンピックでも競技され、長い歴史のあるスポーツです。近年では、障害のない方も車いすを使用して参加するなど、広がりを見せています。
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車いすバスケの基本ルール
使用するコートの大きさ、リングの高さ、ボールの大きさは普通のバスケットボールと全く一緒です。
少しだけ特有なルールはありますが、時間内でどれぐらい点数を決められるかで勝敗が決まります。
激しいスポーツではありますが、基本的には激しすぎる接触は禁止されています。もちろん、押したり叩いたりすることがあれば、同じように反則でファールになり、5回ファールになってしまうと退場です。
基本的には試合時間や試合人数は普通のバスケットボールと変わりありませんが、詳しくは次でご紹介していきます。
車いすで転倒してしまった場合は、自力で起き上がるか、難しい場合は審判が試合を止め起こしてくれます。
試合時間
ゲームは10分のピリオドを4回行います。2分のインターバルを1クォーターと2クォーター、3クォーターと4クォーターの間に取り、ハーフタイムは10分です。
また、細かいタイムを説明すると普通のバスケットボールと一緒で、攻撃側はボールがコートに入ってからシュートまで24秒で行わなければなりません。
また、フリースローエリアに留まっても良い時間は3秒です。
スローインも一緒で審判からボールを受け取ってから5秒以内にコートの中の選手にパスを出します。
また、ボールを保有している瞬間にディフェンスされている場合は5秒以内にパスかドリブルをしなければならないなど、普通のバスケットボールと変わらないタイムで行わなければならないことが多いです。
試合人数
試合人数は、一般的なバスケットボールと一緒で、1チーム5人ずつの10人がコートの中で戦います。チーム編成も一緒で、12人で編成されます。
車いすバスケの特徴として、各選手に持っている障害ごとに持ち点が与えられます。
1,0点から0,5きざみで4,5点が最高点ですが、5人の合計点数が14点になるように編成しなければなりません。選手の交代には制限はありませんが、持ち点を考慮しながら編成を組み換えることで、障害の重い方でも出場する機会が多くなります。
特有のルール
ダブルドリブルは、一般的には一度ボールを受け取ってドリブルをした後にボールを手で保有した後や、両手でボールをついてしまう行為のことです。
車いすバスケではダブルドリブルというルールは適用されないため、何度でもドリブルと保有を繰り返しても問題ありません。
トラべリングは、一般的にはボールを持ったまま3歩目を地面につけてしまうと反則になってしまうプレーのことです。
車いすを使用して行う車いすバスケでは、同じように車いすのタイヤを3回プッシュしてしまうとトラべリング扱いになります。
トラべリングにならないためには2回プッシュした後にドリブルをしなければなりませんが、先ほどご説明したようにダブルドリブルが認められないので、何度でもボールを持つことが可能です。
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車いすバスケの反則
ここからは反則について、ご紹介していきます。
一般的なバスケットボールでも選手が危険なプレーになってしまう前に反則として試合が中断されることがありますが、車いすバスケではどんなプレーが反則に値するのか、一緒に勉強してみましょう。
車いすバスケの反則についての以下の3つを解説します。
- チャージング
- ハッキング
- ブロッキング
チャージング
チャージングは車いすで相手の車いすにぶつかっていくことです。
故意にぶつかっていったり、ドンと大きな音がした時やぶつかった車いすの大輪が浮き上がると確実にチャージングになります。
相手に後ろからぶつかると、「アンスポーツマンライク・ファール」をとられるため注意しましょう。
チャージングは普通のバスケットボールでも多いファールの1つで、比較的オフェンスよりもディフェンスが言い渡されることが多いファールです。
怪我や車いすの横転に繋がる可能性が高いファールでもあるため注意が必要です。
試合が大きく動いている時や、終盤、僅差で決着がつきそうな試合のように多く見られ、ドリブルをしていり選手にプレッシャーを与えながらディフェンスをしている選手が多く取られる傾向にあります。
ハッキング
ハッキングは相手の体を叩いてしまうことです。
こちらも叩いた音がした瞬間に確実にハッキングがとられてしまうため注意しましょう。
シュートをしようとしている選手の守備をしている選手が多く、行ってしまう行為で、叩いているつもりはないのですが、シュートを防ぐ瞬間にとられてしまうケースが多いです。
シュートをしている選手にハッキングだけに限らず、ファールを与えてしまうと「フリースロー」というフリースローラインから守備がいない状態でシュートが打てるペナルティが与えられてしまうため、注意しましょう。
また、腕や車いすをつかんでしまう「ホールディング」もゴール前で多く見られるファールです。
シュートを決めさせたくない!守りたい!という気持ちはわかりますが、熱くなりすぎてファールを重ねないように注意しましょう。
ブロッキング
相手の車いすを妨害する行為のことです。
主には、バンパーを使って相手の車いすの動きを止めてしまったり、車いすをこいでいる相手に車いすをぶつけてしまうと、ブロッキングがとられます。
今までご紹介してきた反則も、ボールを持っているか持っていないかに関わらず、行ってしまうと反則になってしまいます。
少しチャージングに似ているようなファールです。
相手が自分の守っている陣地に入ってきた時に、自分が押された、または、車いすで当たられた場合は、相手の選手にブロッキングが言い渡されます。
また、妨害に関しては「ブッシング」という体やお腹を押す行為もファールになります。
ファールはディフェンスの方が圧倒的に多いかもしれませんが、オフェンスでもボールを持ってドリブルしている時に、突進して行ってしまうとファールをとられてしまう可能性もあるので気をつけましょう。
まとめ
今日は、車いすバスケのルールをご紹介してきましたがいかがでしたか?
実際に試合をみたことがある方も少ない競技ではありますが、これから始まる東京パラリンピックでも熱闘を繰り広げるスポーツに違いありません。
また、障害を持っている選手が一生懸命に健康な方が行っているバスケットと変わらない激しさで戦うところも注目が集まります。
最近では、知識や認知度を広めようと漫画やアニメにもなっているので、ぜひご覧になってみてください!
障害のある方も健常者も、一丸となって日本の車いすバスケを応援していきましょう!