弓道とアーチェリーの共通点は、離れた的に矢を射る競技ということです。的が遠いだけに、正確に矢を射るのが難しいのが弓道とアーチェリーです。
弓道とアーチェリーのどちらをやってみようか迷ったことはありませんか。矢を射るということは同じですが、服装も弓や矢の大きさも形もちがいます。
そもそも、弓道とアーチェリーはどうちがうのでしょうか。
ここでは弓道とアーチェリーのちがいを解説しているのでなにか趣味を持ちたい、観戦の際にルールなどを知っておきたいと思っている人は参考にしてみてください。
目次

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アーチェリーと弓道の違いとは

アーチェリーと弓道のちがいとは、弓道は的に矢が何本当たったのかを競い、アーチェリーは矢が当たった点数を競います。
使用する器具は弓道では弓と矢ですが、アーチェリーは的中率をあげるためにさまざまな補助器具を使います。
弓は弓道では竹でつくった和弓ですが、アーチェリーは高品質アルミニウムといった軽くて強い素材を使っています。
また、弓道の矢は長さがちがうだけですが、アーチェリーの矢はさまざまなタイプがあります。
射る距離も弓道が2種類に対して、アーチェリーが30m、50m、70m、90m、インドアであれば18m、またフィールドなど、距離のちがいもあります。
弓道では正装がありますが、アーチェリー服装は決まられたことが少ないのが特徴です。
アーチェリーを詳しく解説

アーチェリーは弓を使って矢を的にあて、得点を競うスポーツです。中心にある10点を射たときの爽快感はひとしおです。
そして、自分の体格や腕前による強さの弓を引くので、子供や高齢者、障がい者にも楽しむことができます。
アーチェリーは専門の施設だけでなく、アスレチックと併設されているところもあるので、親子で楽しむことができます。
アーチェリーを紹介します。
- 歴史
- 競技ルール
- 矢の通り道・引き幅
- 服装
アーチェリーの歴史
アーチェリーは紀元前1~2万年前の旧石器時代に狩猟用として使われはじめました。
当然のように人と人との争いにも使われるようになっていきます。
鉄砲の登場によって役割が変わるとアーチェリーは、競技として復活します。
1844年に、イギリスのアーチェリー協会がヨークラウンドというルールをつくります。
60ヤード(54.8m)、80ヤード(73.1m)、100ヤード(91.4m)です。現在の距離の原形となっています。
1931年に国際アーチェリー連盟が設立され、1920年からオリンピック種目からはずされていましたが1972年に種目として復活しています。
競技ルール
アーチェリーには競技種目がたくさんあります。陸上競技に100m、200m、1500m、マラソンがあるようなものです。
日本では、インドアアーチェリー、ターゲットアーチェリー、フィールドアーチェリーの3つに競技人口は集まっています。
どれだけ的の真ん中にあてるか、得点できるかを競います。
アーチェリーは1試合で的までの距離が30m、50m、70m、90mと変化があります。
矢の数は各距離で36本ずつ、合計で144本です。
アーチェリーの面白いところは、近い距離得意だが遠い距離は苦手、またその逆もあるので、見方もいろいろと楽しめます。
矢の通り道・引き幅
アーチェリーは狩猟としてはじまり、弓を改善することで発展してきました。
矢は左につがえ、矢の通り道である中心をえぐることにより、真っ直ぐに飛ぶようにしたこともそうです。
つまり、弓道では本来の矢の通り道に弓があるのに対して、アーチェリーではえぐられていることで、矢の通り道には弓がない状態をつくっているのです。だから、矢が中心にあり、よほどのことがないかぎり的をはずすことはありません。
アーチェリーの弦の引き幅はあごまでになります。
弓道とちがう点は、矢を落としても失格にはならず、もう一度引き直すことができます。
アーチェリーの矢の威力はすごくて、時速200kmで厚さ5mmの鉄板を貫きます。
服装
練習の際は動きやすい服装でかまいませんが試合の際には明確な規定ではありませんが、ある程度の決りはあります。
上衣は襟付きのシャツやポロシャツでTシャツは不可となっています。帽子は赤を避けること。
下衣はスポーツスラックス、あるいはジャージとなっています。ジーパン、カーゴパンツは不可です。細かいのですが、ショートパンツは両手を下ろしたときに、裾が指先より長いことが条件です。
靴は運動に適していればよく、サンダルは不可です。
できればチェストガードはしておいたほうがいいでしょう。
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弓道を詳しく解説

柔道は相手と組み合い、空手道は互いに間合いをとり、剣道は竹刀を持って離れたところから打ち込んできます、そして弓道はもっとも遠くから行われる「道」です。
弓道は的を射ることが目的ではなく、自己の人格を磨くことを目的としています。
弓道を紹介します。
- 歴史
- 競技ルール
- 矢の通り道・引き幅
- 服装
弓道の歴史
日本での弓は、狩猟や戦場で使われてきました。日本では中世といわれる時代に、主に合戦では武器の主役として使われました。しかし、アーチェリーと同じく鉄砲の登場で役目がなくなっていきます。
もちろん、心身の鍛錬を目的に弓術はなくなることはなく、昭和4年には弓術から弓道へと名称が変更されています。
弓道としては、鎌倉時代からつづく小笠原流や、日置流などが有名です。
大正時代には体育教育として行われていたので、弓道部として残っている学校もあります。
競技ルール
弓道は道場で行われる射位から28m先にある直径36cmの的を射る近的(きんてき)と、60m先にある直径100cmの的を射る遠的(えんてき)の2つがあります。
近的には的中制と採点制があり、遠的には的中制と得点制があります。とくに遠的の場合は距離があるため、空気抵抗を減らすために近的よりも小さい矢を使います。
的中制は得点ではなく的にあたった数を競います。的のどこにあたってもかまいません。
採点制は的中はもちろん、姿勢や形、そして態度を審査員が採点して競います。
得点制は、アーチェリーのような色的という輪っか状に配色した的にあてて得点を競います。
射る数は2本や4本で、すべて的にあたると皆中(かいちゅう)といい、逆にすべて外れると残念とよびます。
矢の通り道・引き幅
弓道において、矢は弓の右側につがえます。当然、矢は右側に飛んでいくので、矢が真っ直ぐ的に向くように的を左に傾けます。水平に飛ばしたのでは、矢は下に落ちていくので、やや放物線になるように少しだけ上に向けて射ます。
引き幅は、耳の後ろまで矢を持ってきます。
矢を落としてしまうと、矢こぼれといって失格となってしまいます。初心者は弓を引くことと矢を落とさないことに神経が集中してしまうので、リラックスすることが大切です。
弓返りができれば姿も格好よく見えますし、きれいな弦音が鳴ります。
服装
練習の場合は、普段着でもいい道場が多くなってきましたが、上衣、袴、足袋、角帯はそろえておいたほうがいいでしょう。
また、道場では裸足が禁止されています。足袋あるいは靴下は必ず用意します。
一般的に上衣は白になります。素材は袴と同様に綿かポリエステルになります。
袴の場合は黒が一般的になります。上衣と同じく、薄い生地の夏用があります。標準は馬乗り袴になります。女性には股下が割れていない行燈というタイプがあります。
帯を締めることで着崩れが少なくできます。男性は角帯や刺子帯、女性は伊達締めもあります。足袋は白を用意してください。
胸当ては白か黒なのですが透明なものもあります。
まとめ
弓道とアーチェリーは、同じ弓と矢を使いますが、歴史やルール、また服装など、ちがう点が多いことがわかりました。的中させる意味もちがいます。
日本古来の礼儀を習うのであれば弓道、得点を競うことを楽しむのであればアーチェリーと、どちらもまだマイナー競技ではありますが、習える教室があるので参加してみてはいかがでしょうか。
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