「カテナチオ」とは、イタリアで流行したサッカー用語です。
イタリア代表やイタリアのプロサッカーリーグであるセリエAを表現するときに必ずと言っていいほど使われるサッカー用語です。
ワールドカップのときに、サッカー中継でサッカー解説者がイタリア代表のサッカーを表すとき、「カテナチオ」と話しているのを聞いたことがあるのではないでしょうか?
この記事では、サッカーが未経験の方でもわかるように「カテナチオ」についてわかりやすく解説していきます。
目次
- 01カテナチオとは?
- 02カテナチオのメリット
- 03カテナチオのデメリット
- 04カテナチオの現在
- 05まとめ

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カテナチオとは?

カテナチオとは、イタリア語で「閂(かんぬき)」という意味の言葉です。
サッカー用語では、カテナチオのことを、1950~1960年代に流行したイタリアの戦術である、「堅守速攻」を意味する言葉として使われています。
「ゴールにカギを掛ける」、または「ゴールに閂(かんぬき)を掛ける」と言うような表現としてカテナチオと呼ばれています。
また、伝統的なイタリアのカギを掛けたように守備が固い戦い方のことを表現する意味合いもあります。
カテナチオのメリット
ここでは、カテナチオのメリットについて2つのポイントを解説していきます。
サッカーイタリア代表の代名詞であるカテナチオにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
それではカテナチオについて掘り下げていきましょう。
- 強固な守備戦術である
- カウンター攻撃がしやすい
カテナチオの一番のメリットとして挙げられるのは「堅守」、強固な守備戦術であることです。
カテナチオで用いられるおもなフォーメーションは、1-4-3-2システムです。
カテナチオでは、基本的な戦術として、1-4-3の8人がゴールを守ります。
普通のチームは最終ラインにディフェンスを4人並べるフォーメーションを取りますが、カテナチオの場合は、4人のディフェンスの後ろにリベロとして1人の選手を配置しています。
リベロを配置することで、4人のディフェンスラインを突破されたとしてもカバーリングできるため失点のリスクを下げることができるのです。
カテナチオは、現代サッカーのようにプレスを掛けて自らボールを奪うことには適していませんが、攻め込んでくる相手にとってはとても崩しづらい守備戦術なのです。
カテナチオが強固な守備戦術であること、そして自らボールを奪うことには適していないが、攻め込んでくる相手にとっては崩しづらい守備戦術であることを前述しました。
このことから、カテナチオはカウンター攻撃にとても適しているというメリットがあると言えます。
5人のディフェンスがゴール前を固めることで残りの2トップと、3人の中盤の選手はカウンター攻撃に備えて参加することができるのです。
もちろん中盤の3人は守備への参加も大切な仕事ですが、バランスを取りながらカウンターの際は一気に攻め上がります。
カテナチオは向かってくるチームに強いので相手が人数を掛けて攻めこませて、少ない人数でカウンター攻撃をするのにとても適しているのです。
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カテナチオのデメリット
ここでは、カテナチオのデメリットについて2つのポイントを解説していきます。
サッカーイタリア代表の代名詞であるカテナチオにはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
それではカテナチオのデメリットについて掘り下げていきましょう。
- リベロの存在
- サイド攻撃ができない
カテナチオの象徴的なポジションである「リベロ」ですが、逆にデメリットでもあります。
リベロの存在がデメリットである一番の理由は、「オフサイド取れないこと」です。
4人のディフェンスラインの後ろを自由に動き回りカバーリングすることで強固なディフェンスの要となるリベロですが、裏を返せばディフェンスラインの後ろに常に1人残っているために、オフサイドを取ることがとても難しくなってしまうのです。
このことから、ディフェンスラインの後ろにいるリベロの両サイドには広大なスペースが存在することになり、サイドのスペースを簡単に使われてしまうというデメリットがあるのです。
カテナチオがサイドからのクロス攻撃にとても弱い戦術である原因はリベロの存在であると言えます。
カテナチオは、ゴール前を固める守備戦術なので中央突破には滅法強いというメリットがあります。
しかし1-4-3-2というフォーメーションには、2人のフォワードと3人のミッドフィルダーというポジションになり、サイドアタッカーのポジションが存在しません。
そのためにサイド攻撃がやりづらく中央からの攻撃に偏ってしまうというデメリットがあります。
サイド攻撃を行う場合は、4人のディフェンスの両サイドであるサイドバックの攻撃参加が必須となるため、カウンターを狙う戦術のはずが、逆に相手にカウンター攻撃を食らってしまうリスクが発生してしまいます。
時代に進むにつれてサッカー戦術はより進化し中央からの攻撃がなかなか通用しなくなってきました。
このことからサイド攻撃ができないということは大きなデメリットと言えるのです。
カテナチオの現在
現代サッカーにおいてカテナチオという戦術は廃れてしまったと言えるでしょう。
カテナチオの代名詞であるイタリア代表やイタリアのサッカーリーグセリエAでも、カテナチオを使うチームは皆無です。
1980年代に入ると当時の強豪であったセリエAのACミランの監督であったアリゴ・サッキが、イタリアの伝統であるカテナチオを否定し、リベロを排除して4人のディフェンダ―を一列に並べてフォワードまでの距離をコンパクト保ちプレッシングをかけてボールを奪うプレッシングサッカー、ゾーンプレスが全盛となっていきました。
今ではカテナチオは、イタリア代表やセリエAを表現する際に、イタリアの守備意識や技術の高さを表す意味で使われることが多くなっています。
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まとめ
ここまで、サッカーのカテナチオについて解説してきました。
カテナチオは、イタリア語で閂(かんぬき)という意味の言葉で、イタリアで流行した堅守速攻の戦術を意味するサッカー用語です。
現在ではカテナチオ戦術を用いるチームはなくなり、イタリアの守備意識や技術の高さを表す意味で使われることが多くなっています。