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「人の成長は上り坂ではなく、階段状。」海外での武者修行から学んだプロテニス選手の中村錬が語る成長の秘訣とは?

スポシル編集部

公開日 :2019/12/02

更新日 :2019/12/03

高校時代から海外で武者修行を積み、今ではプロとして活動をしている中村錬選手。
海外での言葉の壁、周りのレベルの高さに、日本に帰国したいと思うこともあったが、そのような挫折を乗り越えられた秘訣とは?
気さくにお話をしていただき、ユーモア溢れる中村選手の語る「人の成長は上り坂ではなく、階段状。」とは?
幼少期の頃のお話から、今に至るまでをインタビューさせていただきました。
スポーツをしているお子様をお持ちの親御さん必見です。

目次

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テニスに出会った小学生時代

--テニスを始めたきっかけは何でしょうか?
中村:始めはスキーでした。父親がスキー選手だったこともあり、スキーをしていました。しかし、スキーは冬のスポーツのため、それ以外の時期はどうするか?ってなった時に、母親がテニススクールに通っていたので、僕もそこに何度か足を運ぶようになり、自分もそのテニススクールに通うことを決めたのがきっかけです。

--子供の頃はどのような子だったのでしょうか?
中村:活発で落ち着きがなかったです。それはスポーツの時も学校の時もそうでした。テニスでも、練習では率先して列の最初に並んだり、学校でも手を挙げて意見を言うなど、目立ちたがりでした。

--それは今にどう活きていると思いますか?
中村:コーチに対しても自分から意見を求めに行ったり、自発的に行動が取れるようになりました。受け身だとどうしても自分の欲しいアドバイスがもらえなかったりするので、そこは子供の頃から自発的に行動が取れていて良かったなと思っています。

様々なことをやらせてくれた両親

--ご両親はどのようは教育方法でしたか?
中村:やりたいことをとにかくやらせてくれました。自分が「これをやりたい」、「これが欲しい」と言ったら全部をやらせてくれましたし、与えてくれました。ですがそのようにしてくれた理由は、全部を与えることで僕に言い訳の逃げ道を作らせないようにするためでした。全てを与えてくれたので、それでもできないときはなぜか?それを考える癖がつきました。

--それはテニスでどう活きましたか?
中村:テニスでは、試合に勝つためにたくさんの要素があります。ラケットやガットでもたくさん種類があり、プレーでもたくさんの技術が必要となります。その中で要らないものを排除していき、シンプルにならないといけなく、それをすることで集中してテニスに励むことができました。
両親の言い訳をさせない教育方法のおかげで私生活でも、できない理由を人や物事のせいにしなくなりました。自分でどうすれば良いか、物事に対して向き合うようになりました。

--子供の頃にこれをやって良かったなと思うことはありますか?
中村:スキーや野球、テニスなど色々なスポーツをしてきたことです。そのお陰で、テニスをやる上でできることが増えました。他のスポーツをすることで、テニスに対しても良い刺激になります。

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テニスに決断

--様々なスポーツをしてましたが、テニス一本に絞った理由は何でしょうか?
中村:中学に上がる前に、野球とテニスのどちらに専念するのか迷っていました。テニスを選択すると、学校も都会の学校に通うことになり、強い選手とも出会えることができるため、都会に出たい気持ちもありテニスを選択しました。小学生という早い段階でやりたいことを見つけ、それを選択してやり込めたのは良かったです。

--その中村選手の決断に対してご両親はどのような反応を?
中村:両親は常にやりたいことに対して賛同してくれ、バックアップをしてくれました。否定されたことはほとんどないです。両親からあれをやれ、なども言われたことはないです。両親が道を作るサポートをしてくれ、その中からどの道を選ぶかは自分自身でした。

逃げ出したい時もあった。でも逃げたらいけない。

--挫折や苦悩などの経験はありますか?
中村:テニスを始めた頃は全然勝てませんでした。始めた頃は「プロになりたい!」という気持ちでやっていましたが、勝てない時期が続くと、「本当にこれでプロになれるのかな?」と不安になり、気持ち的に辛かったです。他にも、高校の時に自分は海外留学をしましたが、言葉が通じず、周りも自分よりもレベルが高い人ばっかでした。その環境が辛く日本に帰りたいと思うこともありました。しかし、日本に帰れば周りから「海外行ったのにそのレベル?なんのために海外行ったの?」など冷ややかな目で見られると思い、気持ちが両挟みしていた時期はかなり辛かったです。

--そのような時、どのようにして立ち直りましたか?
中村:人間逃げ出したいときはあると思います。でも、一回でも逃げてしまうと逃げ癖がついてしまいます。だからまずは逃げないようにしました。また、自分は簡単な道と難しい道があった場合、難しい道を選ぶようにしています。人間は時間が限られています。その中でより成長できるとしたら難しい道の方だと思いまし、海外留学を経験してから、簡単な道と難しい道があった場合は、難しい道を選ぶようにしています。

--実際に難しい道を選んで、どうでしたか?
中村:難しい道を選ぶことで、同じ時間でもより多くのことを学ぶことができました。それにより、目の前の課題と我慢強く向き合うことができ、周りに置いていかれると感じながらも、1度は立ち止まっても、その期間が助走となり壁を超えれた時の加速感を感じることができました。その喜びを1度味わえば何度でも壁を乗り越えることができると思います。

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海外を経験した方が良いのか?

--小さい頃から海外へ行った方が良いと思いますか?
中村:環境が全てではないが、環境が与える影響は多いかと思います。人間の成長は上り坂ではなく、階段状だと思います。なぜなら、うまくいかない時期が続くと、「自分は今、下り坂を進んでいるんじゃないか」と思うかもしれませんが、僕はそういう場合は階段の平面でもがいているときだと思うからです。「今自分は次の段を登るために準備をしているんだ、それがちょっと時間がかかっているだけだ」と。これを学べたのも海外でした。言葉の壁、レベルの高さによる挫折など、必要以上に辛い経験をすることはあると思いますが、それ以上に良い経験、学びはできると思います。

--海外でコーチから学んだ中で、印象に残っていることはありますか?
中村:コーチに「満足した時点で成長は終わる」と言われたことです。きつい練習などをやりきって、もう満足だって思っても、もうちょっとだけ頑張ってみたり、逃げ出したいときにも、そこで満足して簡単な道を選ぶのではなく、あえて難しい道を選んでどんどん挑戦していくなど、新しいことにトライすることが大事だと学びました。

ウィンブルドンのセンターコート

--今まで様々なサポートを親にしてもらってきてると思いますが、何か恩返しはしたいと思っていますか?
中村:グランドスラムに出場し、グランドスラムの舞台に両親を招待することです。両親は自分が今こうやってプロとして活動できている姿が見れること自体が恩返しだ、とは言ってくれていますが、やはり自分としてはグランドスラムに両親を招待したいという気持ちが強いです。

--なんのためにテニスに励んでいますか?
中村:一番はその競技を極めたいからです。一番好きなスポーツでもあるから、やっていて楽しいですし、力も発揮できます。好きなものを仕事にできるということはこの上ない幸せだと思っています。その上で、プロとして活動していく上でのお金のこととか、厳しい練習、トレーニング、辛いメンタル的な面のことなどは、必要経費なんじゃないかと思っています。

--直近での夢は何でしょうか?
中村:それはプロになった時から変わらず、ウインブルドンのセンターコートに立つことです。

--その夢が叶った先にあるものは?
中村:目標は一目標であって、クリアするものであると思います。自分がその目標を達成できるレベルになった時、また違う景色が見えてきて、また違う目標が立てられると思います。目標を達成することで、新しい景色が広がり、新しい様々な道が見えてくるかと思います。まずは今の目標を達成できるよう頑張ります。

(取材・文=田口雄貴)

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