ボルダリングという競技を知っていますか?
ボルダリングはスポーツクライミングという競技の中の種目で、壁に設置されたホールドと呼ばれる足場を使って、どれだけ多くのコースを登れたかを競うスポーツです。
2020年東京オリンピックでは、初めて正式種目にも選ばれ、日本でもその注目度が増してきています。
そのボルダリングですが、初めてトライしてみると、自分の体が思うように動かず苦戦するケースもよくあります。
そこで重要なのが技です。
他のスポーツと同様に、ボルダリングでもその時々に応じて使える技を身につけなければいけません。
この記事では、ボルダリング初心者必見のおすすめの技について特集します。

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1,1ボルダリングが上手くなりたい人必見!!~ボルダリング技特集~

ボルダリングは、ただ壁を登るだけじゃないの?と思っている人もいるかもしれませんが、本当はもっと奥が深いスポーツなんですよ。
如何にして自分の体を思い通りの場所に運ぶか、バランスを維持するかなど、自分の体がどのように動くのか知っていないとなかなか上達は難しいでしょう。
そして、その上達の手助けをしてくれるのは様々な技です。
窮地に陥った時に、体に覚えさせた技を繰り出せれば、状況を一気に好転させられます。
ここからは、おすすめの技を7種紹介します。
ボルダリングを始めたての初心者から、経験者まで、様々なレベルの人が試せる技を7種紹介していきます。ぜひトライしてみてください!
個々の技の紹介に入る前に、まずは「ムーブ」という言葉について解説しておきましょう。
まだボルダリングの知識があまりない初心者は、「ムーブ」って特定の技の名前?と思うかもしれませんが、そうではありません。
「ムーブ」とは、日本語に直すと「動き」「動かす」という意味になります。
言葉の使い方としては「あのコースはどのようなムーブを使えばいいの?」、「なにか自分にもできるおすすめのムーブはない?」といった具合です。
つまりムーブとは、ボルダリングの中の動き全体を指す言葉であり、「技」という意味合いを持っています。
つまり先ほどの例文では、「あのコースはどのような技(ムーブ)を使えばいいの?」となります。
この記事の中でもムーブという言葉が出てきたら、それは技のことを指す用語だと理解してください。
1つ目のおすすめの技(ムーブ)は「ダイアゴナル」です。数学が得意な人は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ダイアゴナル「diagonal」は対角という意味の英単語です。
ボルダリングでは、自分の体のバランスを安定してとるときに使う技の名前になっています。
例えば壁を登り始めて、右手でホールド(突起物)を取りに行きたいとします。
この時ホールドを持っているのは左手のみで、右手は宙に浮いた状態ですね。
そして下半身はというと、この時右足に体重が乗っているのがバランスをとるうえで理想になります。
左手ホールド、右足体重、体の中で対角線ができているのがわかりますか?
まとめると、左手で踏ん張ってホールドをつかんでいるときは右足体重、右手でホールドをつかんでいるときは左足体重です。
この対角バランス「ダイアゴナル」を意識して練習するなどして使いこなせるようになると、クライミング中のバランスがグッと向上しますよ!
2つ目のおすすめムーブは、「フラッギング」です。通常ボルダリングは、壁に正対して登っていくのが基本です。
右手でホールドをつかみに行き、次は左手でホールドをつかむ、下半身は先ほど紹介したように、手と対角線にあたる足に体重をかける。
このように、まっすぐ上に登っていければ問題ありませんが、コースの難易度が上がってくると、自分の手の届きやすいところにホールドがない可能性があります。
例えば斜め上などにホールドがあった際には、壁に正対して登ろうとすると、バランスを崩す可能性があります。
その時に有効なムーブがフラッギングです。
フラッギングは、体の重心を移動させてバランスをとるムーブで、上方向ではなく、横方向や斜め上に動きたいときに有効です。
旗がひらひらと揺れる様子に似ているため、フラッギングという名前が付きました。
具体的な動きとしては、例えば目標のホールドが左上にある場合、右足のホールドよりも、さらに右方向に蹴りだすように左足を動かします。
そして、バランスを保ったまま、左手でホールド掴みます。方にしっかりと力を入れたまま一気に体を持ち上げます。
3つ目のおすすめのムーブは、「ヒールフック、トゥーフック」です。
2つ合わせてフック系ムーブと呼ばれており、足を中心に動かしていく技となります。
まずヒールフックは、かかとを使うムーブです。
例えばクライミング中に、足をのせるホールドが、自分の位置よりも高い位置にあるとします。
この場合足をベタンとホールドに乗せたのでは、なかなかバランスが取れず、体力の消耗も激しくなります。
そこで、かかとをホールドに引っ掛け、そのまま体を上に運んでいく方がよりスムーズに、パワーも少なく体を上に運べます。
これがヒールフックです。
2つ目にトゥ-フックは、つま先をホールドに引っ掛けるムーブです。
90度以上の急な傾斜で、次のホールドに移動するのが難しい時、かかとをホールドに引っ掛けて、バランスとりながら移動すると、移動が困難と思われたホールドにも手が届くようになります。
なおフック系ムーブは、自分の足にぴったりフィットしたシューズでないと、ずり落ちてしまう危険があるため注意が必要です。
続いてのおすすめムーブは、「ランジ」です。ここからは見た目が派手目のムーブになってきます。
ボルダリングのコースは、難易度(グレード)があり、より難易度が上がってくると、手も足もどのホールドにも届かないといったシーンに遭遇します。
その場合はあれこれ考えず、一番届きやすいホールドへ飛んでしまいましょう!
一瞬手も足も壁から離れるため、最初は怖いかもしれません。
そんな時は地面に近い低い位置から練習してみましょう。
基本的な心構えとしては、ジャンプする前に、飛び移りたい先のホールドを決めて、そこ一点をしっかりとみるということと、2回ほど反動をつけて、右手でホールドをつかみに行くなら、右足で、左手であれば、左足に体重を乗せて飛びます。
難易度は高めですが、決まるととてもカッコよいムーブの1つですよ!
続いてのムーブは、サイファーです。
これも「飛び系」ムーブで、先ほど紹介したランジの進化系となります。
ランジでは、右手でホールドを取りに行く場合は、右足で踏み切るといった具合に、踏み切る足と同じ側の手でホールドを取りに行くと紹介しましたが、サイファーは、踏み切る足でバランスがうまく取れないときに使うムーブです。
例えば、右手でホールドを取りに行きたいが、右足でうまくバランスが取れないときには、左足をホールドに乗せて、右足は振り子を振るように、大きく振ります。
その反動を利用して、左足で踏み切ってジャンプしていきます。
最後に紹介するのは「ダブルダイノ」です。
先ほど紹介したランジやサイファーは、両手両足が完全に壁から離れる場面とそうではない場面が混在していますが、ダブルダイノでは、完全に両手両足が壁から離れます。下から見ていると完全に飛んでいます。
かなりダイナミックなムーブになりますが、コツをつかんで練習してみましょう。
ダブルダイノで重要なのは、ランジやサイファーでも述べましたが、次に飛び移るホールドを明確にし、そこ一点を目指して飛ぶという意識です。あいまいなまま飛んでしまうと、どこのホールドをつかんでよいのか判断がつかず、そのまま落下してしまいます。
そしてジャンプする際には、しっかりとしたタメが重要です。
イメージとしてはカエルが上にジャンプするイメージです。しっかりと腰を落とし、膝を曲げて飛んでいますよね。
これにより、空中でのバランスが安定し、ホールドをつかむのも容易になります。
そして、飛ぶと決めたら、さっさと飛ぶというメンタルも重要になります。
2,基本ムーブ「キョン」とは?

ここまで、様々なムーブを紹介してきましたが、このようなムーブを行うには、まずは、基本のムーブをマスターする必要があります。
基本形のムーブに「キョン」というムーブがあります。
下半身を使って体全体を押し上げていくようなムーブで、スペースが狭いホールドでも安定して進んでいけます。
ここからは、「キョン」のポイントなどを紹介します。
キョンのやり方やコツを紹介します。
キョンは、別名「ドロップニー」とも呼ばれており、日本語に直すと「膝を落とす」という意味になります。
下半身主体のムーブであり、まずシューズの底を、ホールドの側面に乗せます。そしてそのまま膝の皿を真下に向けるように、足をひねっていきます。
膝を真下に向けたら、そのままホールドの側面で踏ん張っている足を蹴りだします。
その反動で、体が上に移動するという仕組みです。
左足でキョンを行う場合は左手で、右足の場合は右手でホールドを取りに行くのが基本となります。
足を蹴りだす際には、体が壁から離れていかないようにしましょう。
また、膝を曲げる動きが入るため、けがのリスクが伴います。しっかりとした準備運動も大切です。
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3,ボルダリングの凄技を動画でご紹介!!
最後に実際にボルダリングの凄技をご覧ください。
今回紹介するのは、ボルダリング男子世界王者の栄冠を手に入れた楢崎智亜選手です。記事内で紹介したムーブも登場します。
イメトレにも最適ですよ!
この動画では、登り始めてから、真上にクライミングするのではなく、斜め上に上っていますね。
フラッギングで足を大きく蹴りだしている様子も見て取れますし、1分36秒あたりでは、かかとをホールドに引っ掛けているムーブもあります。
そしてなにより動きが素早いですよね。
ボルダリングの大会では制限時間もあるため、スピードもとても大切な要素になります。
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まとめ

ここまでボルダリングで使える技(ムーブ)を紹介しました。
後半で紹介したキョンといった基本形は初心者でも覚えやすいムーブの1つです。
慣れてきたらサイファーやダブルダイノといった大技にも挑戦してみましょう。
ただ上るのではなく、魅せるクライミングもボルダリングの魅力ですよ!