本記事では、ラグビーのプレー中に形成される密集集団の種類の一つを示す「モール」に関して解説していきます。
ラグビーはルールや反則が多く、迫力があって見ていて興奮するが、プレーが理解できないことがよくあります。
それだと、雰囲気は楽しめても、楽しみきれてないですよね?
そこで本記事では、ラグビーの用語の1つである「モール」について簡潔に紹介していきます。
初心者の方にもわかるように解説しておりますので、プレイヤーの方も観戦を楽しみたい方も参考にしてみてください!
目次
- 01 モールとは?
- 02 モールの形成条件
- 03 モールとラックの共通点と違い
- 04 モールが使用される場面
- 05 モールで起こりやすい反則
- 06 モールが解消される条件
- 07まとめ

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モールとは?

モールとは、ラグビーのプレー中に形成される密集集団の種類の一つでもあります。
ラグビーの密集集団には、モールの他にラックやスクラムがあります。
それぞれに形成される条件が異なるため、密集集団ごとの特徴を把握しておきましょう。
モールはボールキャリアが立ったまま敵と味方選手が入り乱れる密集集団です。
ラックと間違えて覚えられてしまうことが多いですが、ボールキャリアが倒れているか立っているかを確認することでどちらの密集集団なのかを確認することができます。
モールはボールキャリアが立っているため、そのままボールを所持したままフィールド内を移動することが可能です。
場合によってはそのままゴールラインを越えてトライを決めることもでき、戦術の一つでもあります。
モールの形成条件

モールの形成条件は、ボールキャリアが立ったままの状態で敵チームの選手と味方チームの選手にバインドされている状態です。
そのため、モールを形成するためには最低でも3人の選手が必要になります。
ボールキャリアと相手チームの選手だけでバインドされている状態はラックとは呼ばれません。
しかし、そのような状態はボールキャリアにとって不利であるため、すぐに味方が駆け付け、モールを形成するようにしましょう。
モールが形成され、多くの選手が入り乱れている場合は、ボールを後方の味方にパスをすることが定石です。
そうすることでボールを奪われることなく、敵陣の穴を走りきることも可能になります。
ラックを形成することで有利になることも多くあるため、ボールキャリアがディフェンスにバインドされたらいち早くモールを形成するようにしましょう。
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モールとラックの共通点と違い

モールとラックは非常に似ている密集集団であるため、どのような違いがあるのか知らない人も多いのはないでしょうか。
モールとラックの違いは形成条件やプレー自体にも大きな違いがあるため、モールとラックの違いを知るだけでも楽しく観戦できます。
モールは上記でも紹介したようにボールキャリアが立った状態でバインドされてしまうことであり、ラックはタックルなどで倒されたボールキャリアに対して密集集団が形成されることです。
ラックはボールキャリアが倒されているため、少なくてもボールキャリア自身はプレーに参加することができず、ボールを速やかに手放す必要があります。
モールとラックでは、ラックの方が圧倒的に反則してしまう場面が多い違いもあります。
モールが使用される場面
モールはさまざまな場面で使用されるプレーですが、次に行われる場面を紹介します。
モールが発生しやすい場面をあらかじめ把握しておくことで、観戦する際にモールが形成されたことに気づけやすくなります。
モールが使用されやすい場面は以下の3場面です!
・味方陣ゴール前でのラインアウト
・キックオフのボールをキャッチした後

敵陣のゴール前でのラインアウトでは、敵陣22m以内でトライライン5mでモールが攻撃手段として使うこともでき、モールが使用される頻度が高いです。
しかし、どのチームも敵陣ゴール前でのラインアウトでモールを選択するわけではありません。
あくまでもモールを攻撃手段として使用する場合は、フォワードの力が敵チームよりも高いことが最低条件です。
相手チームのフォワードの方が強いにも関わらず、モールを形成しまうとトライを決めれないだけではなく、押し戻されてしまいます。
↓ラインアウトの詳細はこちら
【ラグビールール】ラインアウトとは?戦術やリフトについて徹底解説

味方陣のゴール前でのラインアウトでもモールが形成されることが多いです。
しかし、上記で紹介した敵陣近くでのモールとは形成される目的が異なります。
敵陣のゴールまでのモールはそのままゴールラインまで押し、トライを決めることですが、味方ゴール前からはさすがに敵陣をゴール前まで押すことはできません。
味方のゴール前でのモール形成の理由は、キックする際のプレッシャーを和らげることです。
味方のゴール前からはキックで陣地回復を行うことが多いですが、ディフェンスのプレッシャーに押されてしまい、精度を失ってしまうこともあります。
モールを組むことで安定したボールを出すことができ、オフサイドラインを下げることも可能です。

キックオフで高く上げられたボールをキャッチすることができれば攻勢に出ることができますが、同時にディフェンスからのタックルを受けやすくなってしまいます。
ボールをキャッチした瞬間にタックルをされるとボールを奪われてしまうリスクが高くなります。
そのため、ボールをキャッチしようとしている味方の周りに集まり、キャッチした瞬間にタックルされても倒れてしまうことを防ぐようにモールに形成するようにしましょう。
モールを形成することでボールキャリアがボールを奪われてしまうリスクが下がります。
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モールで起こりやすい反則
モールでは高い確率でボールを味方につないだまま、攻勢に出ることができます
しかし、反則になってしまうこともあるため、注意が必要です。
モールを形成することは比較的多いため、反則になってしまいやすいことをあらかじめ把握しておきましょう。
モールで起こりやすい反則は以下の3つです。
・コプラシング
・オフサイド

モールが形成されている時に最も発生しやすい反則がモールアンプレアブルです。
モールアンプレアブルとは、モール形成時に動きが見られなかった場合に一旦プレーを中断して再開することです。
モール形成時から一度止まると一回目のコールがされ、再び動き出してまた止まってしまうとボールを出せという合図が出されます。
それでもボールが出なかった場合はモールアンプレアブルを取られてしまい、ボールを相手チームに奪われてしまいます。
↓アンプレアブルの詳細はこちら
【ラグビールール】アンプレアブルとは?適応場面についても解説

コプラシングとは、故意にモールやスクラムを崩す行為であり、危険な行動でもあるため、相手チームのペナルティキックになります。
故意にモールを崩すメリットは、押されていることを止めることができ、トライを決められそうになる時に発生しやすいです。
スクラムやモールに参加している選手は倒れたり、膝をつかないように組むことがルールで決められており、故意に倒れたりすることはこのルールに反しています。
さまざまな試合で見られる反則ですが、紳士の行動とはかけ離れています。
↓コラプシングの詳細はこちら
【ラグビールール】コラプシングとは?起こりやすい場面も解説

オフサイドとは、サッカーにも採用されている反則であり、初心者の人が理解しにくい反則でもあります。
ラグビーにおいてのオフサイドは、オフサイドラインから自陣に戻らなかった際に取られる反則ですが、モールの横から侵入する際にも適応されます。
モールが近くで形成されると敵味方関係なく、サポートに回ることになりますが、横から参加することは禁止されており、必ず後方から侵入する必要があります。
焦ってしまっている状況で発生してしまいやすく、冷静な判断ができれば発生しにくくなります。
↓オフサイドの詳細はこちら
【ラグビールール】オフサイドについてケース別に徹底解説!
モールが解消される条件

モールが解消される条件は、上記でも紹介したモールが形成する条件を満たさなくなった場合です。
例えば敵味方が入り乱れてモールが形成されているなかで、いきなりディフェンスがモールを組むことをやめ、手を挙げてアピールをすることがあります。
これはボールキャリアとディフェンスのバインドとオフェンスのバインド状態であったことをボールキャリアとオフェンスのバインドの状態にすることができます。
そのため、モールではなく、逆にオフェンス側の反則を誘発することも可能でした。
しかし、最近ではルール改変が行われたことで、そのような解消方法が行われてもプレーが続行されることが多くなり、オフェンス側が不利になることがありません。
また、モールからボールが外に出た場合もモールが解消されます。
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まとめ
モールはラグビーで行われる回数が多い密集集団であり、重要なプレーでもあります。
チームによってはポイントを獲得するための手段としても活用することができます。
モールのことを詳しく理解し、反則を行わないように陣地回復を行いましょう。