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努力の男、浅岡大貴の見据えるビジョン|シンガポールを選んだ理由

スポシル編集部

公開日 :2018/09/11

更新日 :2019/05/09

シンガポールのプロサッカーチーム、アルビレックス新潟シンガポールで活躍している浅岡大貴選手。

シンガポールで挑戦しようと思った理由や見据えるビジョンについてお聞きした。

そして、浅岡大貴選手の素顔にも迫る。

目次

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アルビレックス新潟シンガポールとは?

シンガポールプレミアリーグ(シンガポールにおける国内プロサッカーリーグ)に参加しているプロサッカーチームです。

アルビレックス新潟シンガポールはシンガポールにおけるサッカーのレベル向上や所属している選手の国際経験の充実を目的として創設されました。

クラブ活動理念

  • 未来ある子供達に「夢を与えられる人づくり」に貢献します。
  • 地域の人々と共に「活気あふれるまちづくり」に貢献します。
  • 地域と世界を結ぶ「豊なスポーツ文化の創造」に貢献します。
  • 日本とシンガポールの「架け橋」となります。

アルビレックス新潟シンガポール公式サイト

挑戦の場はシンガポール


ーーシンガポールで挑戦しようと思った理由をお聞かせください。

浅岡大貴 理由はいくつかありますが、一番大きな理由としては「今」しかできない挑戦だと思ったからです。
「今」しかできないこと。「今」やるべきこと。「今」はあとから返ってくるものではないので、数ある選択肢の中から「今」に合ったものを選んだらシンガポールでの挑戦になりました。

具体的には、今年のシンガポールリーグにおけるアルビレックス新潟シンガポールはアンダー23歳しか所属できないという規定があり(オーバーエージ枠1名はある)、僕の年齢だとシンガポールでプレーするなら今年しかできないんです。

今年1年で結果を出さなければいけない状況、今までとは違う環境である海外でのプレー、サッカー以外にも学べるものがあるなど「今」しかできない経験がいくつもありました。

ーーもともと海外志向でしたか?

浅岡大貴 すごく海外志向だった訳ではありませんが、海外でプレーもしくはサッカーに関わる仕事をしたいという気持ちはありました。

普段から海外のサッカーの試合はよく観ていますし、日本よりも海外の方が、特にヨーロッパのサッカーは凄いスピードで進んでいるので、海外に出てサッカーを知っている人たちからもっとサッカーを学びたいと思っていました。

そのためには、世界共通言語に近い英語を身につける必要があると思い、今回の挑戦ではその英語を身につけるという狙いもあります。

ーーチームでの立ち位置、役割を教えてください。

浅岡大貴 試合における僕の役割は監督が明確に示してくれています。まずはその役割を完璧に果たすことに力を注いでいます。

ただ今後、ずっとここでプレーをするわけではないので、それしかできない選手にならないために、その与えられた役割を完璧に果たしつつも、自分のできるプレーの幅を少しずつ広げる作業を今はしています。

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原点はJFAアカデミー福島

JFAアカデミー福島とは

JFAアカデミー福島は福島県、富岡町、広野町、楢葉町の協力により、創設されたサッカーエリート育成機関です。
中学、高校の6年間を対象に寮生活を通して真のエリートを目指します。
そのため、サッカーだけでなく、勉学やその他の社会的活動にも積極的に取り組んでいます。

ーーJFAアカデミー福島で学んだことは何ですか?

浅岡大貴 アカデミーで学んだことは自分を正しく評価することですかね。
アカデミー入学当初の僕は自分を正しく評価できていませんでした。僕は自分のことを過小評価しすぎていました。自信がないとも言えるでしょうか。

プレーがうまくいかないとすぐに落ち込んで、自分は下手くそだと思い込み、そんなメンタルのままプレーしているからまたミスをする。
逆に良いプレーをしても「こんなプレーじゃダメだ。」と自分のプレーを蔑み、良いものを良いと判断できませんでした。
そのため、自分のプレーに自信も持てない。まさに悪循環ですよね。

ーーその問題をどのように改善していきましたか?

浅岡大貴 自分には今何ができて何ができないのか正確に知るということでした。これらを知っておくことで反省の仕方が全くと言っていいほど変わってくるからです。
これらを身につけるのには、本当に時間がかかりました。なかなか治らない悪い癖みたいなものでしたから(笑)

今も時々その悪い癖が顔をのぞかせますが、正しく自分を評価できるようになったので、自分を貶めるようなことはなくなりましたね(笑)
ただ、上との途方もないギャップも見えてくるので、そういう時はもっと頑張らないとなと思いますね。

挫折して強くなる

浅岡大貴
ーー挫折経験があれば教えてください。

浅岡大貴 挫折なんて数え切れないぐらいありますね(笑)
中学の最後の全国大会では自分のせいで負けるし、高校ではほとんどBチームでみんなが国体に選ばれる中自分は選ばれないし、高卒でプロになれなかったし、大学でも選抜に選ばれたこともなく、チームでも不動のレギュラーになれなかった。

大学卒業間近になってもJのチームからオファーはなく、J3のチームに練習参加をしても結果を残せない。(ネガティブな面しか見れない悪い自分がまた顔を覗かせている笑)

1番悔しかったのは、大学に入ってからずっとメンバーには入ってたんですが初めてメンバー外になったときです。
その時は家で1人で泣きましたね(笑)
あれは悔しすぎました。

挫折だらけで、一体何回サッカーをやめようと思ったことか(笑)
やめるタイミングなんていくらでもありましたからね。やめたらこんな思いもしなくて済むのにと思いましたよ。

けど、やめられませんでしたね。決して自分を美化しているつもりは全くありません。やめる勇気がなかっただけかもしれませんし、サッカーが好きだったからかもしれません。

ただ、挫折を感じてサッカーをやめようかなと思う度に考えてきたことは「サッカーをやめるという決断をした後の自分」は「挫折を感じている時の自分」をみてどう思うだろうかと想像を巡らすことです。

たぶん、「ちょっと上手くいかなかったぐらいでなんでやめちゃうの?」とか、「逃げてるだけだろ」とか、「やれること全部やり切ったのか?」っていう風に未来の自分は思うとおもうんです。
そうやって思いながらやってきたら、まだサッカーを続けている自分が今もいるっていう感じです。

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早川史哉氏の存在

浅岡大貴
ーー人生を変えた印象深いエピソードがあれば教えてください。

浅岡大貴 人生を変えたというかサッカーをするうえで大切にしなければならないことを強く感じたのが僕が大学3年の時だったんですけど、筑波大学の2つ歳上の先輩であり、現在アルビレックス新潟に所属している早川史哉さんが白血病を患い一時的にサッカーができない状況になった時のことです。

チームの練習後に監督からこのことを知らされたんですが、信じられませんでした。知らせを聞いて泣いている仲間もいました。
だって、その病気になる前まではピッチで活躍していたのに、急にそんなことになるなんて誰も考えられませんからね。

それから、僕はお見舞いに新潟で治療中の早川さんに会いに行ったんです。落ち込んでいるのかなと思いながら行ったのですが、そんな僕の気持ちとは裏腹にそこには見た目は変わったものの、振る舞いは以前と全く変わらない早川さんがいました。

色々と話しを聞いたんですが、その話はいつのまにか僕の悩み相談になっていて(笑)
元気づけに行ったはずの僕が逆に元気づけられるっていう(笑)

いつどうなるかもわからない状況でなんでこんなメンタルを保てるんだと思いました。
僕は患ったことがないので白血病という病気の苦しみを軽々しく言葉では表現できませんが、早川さんはサッカーで闘うものよりももっと遥かに大きなものと闘っているということは強く感じとれました。

僕の同期もなにかのインタビュー取材で「早川さんは24時間毎日病気と闘っている。それに比べたら、僕たちはサッカーの試合をたった90分だけ闘うだけなので」と言っていたんですが、まさにその通りだなと思いました。

サッカーをやりたくてもできない人がいる。サッカーよりも大変なものと闘っている人がいる。そんな人たちのことを考えたら、何不自由なくサッカーを元気にやれている自分は本当に当たり前のことじゃないなと。ちょっとやそっとのことで逃げてられないないと。

自分に嘘をついてなにかを言い訳にして苦しいことからちょっとでも逃げ出そうものなら、本当にサッカーなんてやるは資格ないなと思いました。

なので、明日は我が身ではありませんが、いつサッカーができなくなるか本当にわからないという気持ちを持って今は毎日くる1日1日を大切に過ごしています。
現在、早川さんは復帰に向けて頑張っているので、僕もそれに負けないように頑張らないとですね。

大胆に挑戦する


ーー新しいことを始めるとき、人生の岐路に立ったときに心がけていることがあれば教えてください。

浅岡大貴 「たとえ失敗しても死にはしない。」ですかね(笑)
この質問から考えられるネガティヴなところってその選択をして、失敗して、今まで積み上げてきたものが崩れたり、何かを失ったりするのが怖いという考えが生まれるところだと思うんですけど、たとえ失敗したとしても死ななければいくらでもやり直せると思うことが大切なのではないかなと僕は本気でそう考えています。

死ななければいいって極端すぎて、そんなの当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、そこまでの心の余裕というか幅というか、大胆に振り切った心の持ち方ができないとチャレンジした先の結果も大きく変わってくると思うんです。

これぐらいの失敗までならいいかなとか、そのようなセーブしたチャレンジだと得るものもなんか中途半端になってしまう。
だったら、失敗しても死ななければいくらでもやり直せるのだから大胆に挑戦しようよと。

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貪欲に学び続ける


ーー今後のビジョンをお聞かせください。

浅岡大貴 今はプレーヤーとして結果を出すことを最優先にしていますが、サッカーのプレーだけを極めていれば生き残っていける世界ではありませんので、サッカーをあらゆる角度から学んで、サッカーをより深く知る作業をしていかなければならないと考えています。

映像分析、データ分析、プログラミング、栄養、睡眠、指導法、体の構造の理解、体の動かし方の理解、語学などサッカーのパフォーマンスが上がると考えられる全ての要素を学んでいって、現在のプレーヤー生活においても、引退後のキャリアにおいても活せられるようにしていきたいです。

今では多くの人の考え方をインターネットによってSNSや書籍で触れることができるので、多くのものをインプットして自分に合った形で還元するようにしています。

 

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